18日に下御霊神社の例祭が行われ、優雅な東遊(あずまあそび)の舞が奉納されました。
下御霊神社では18日に例祭が行われました。「例祭」とはその神社で毎年行われる祭祀の中でも最も重要なものを差します。その例祭で、東遊(あずまあそび)が奉納されます。京都で東遊を目にすることができる機会としては、5月の葵祭の御蔭祭や社頭の儀が知られています。他にも、6月の八坂神社の例祭で見ることができます。
東遊はその名の通り、元は東国に由来するものですが、平安時代に都の祭祀で舞われるものとして定着し、枕草子では清少納言が「いとをかし」としている舞として、東遊の駿河舞・求子(もとご:もとめご)舞が登場します。神事での舞としては、巫女さんらによる神楽や、中国・朝鮮から伝わってきた舞楽が主流です。しかし、東遊は見る機会は乏しいものの、純国風の舞として貴重な伝統を今に伝えています。
下御霊神社の例祭では神事の中で、神馬が拝殿の周りを三周する儀式が行われます。省略することなく、今も生きた馬をこの神事のためだけに呼んでくるのも神社が神事を重んじていることの表れかもしれません。そしていよいよ東遊が奉納されます。舞や演奏をされるのは市比賣神社の「いちひめ雅楽会」の皆様で、舞を担当するのは学生さんのようです。
狛笛(こまぶえ)、篳篥(ひちりき)、和琴(わごん)の調べと歌に合わせて、まず駿河舞という舞が披露されました。楽器や歌が作りだす独特の空間に、目を閉じれば千年前の光景さえ浮かんできそうです。舞人も日ごろの練習があってか、とても優雅な所作を見せてくれました。
駿河舞が終わると行ったん拝殿を下りて、右肩の着物を脱ぎ、再び拝殿に上がって求女子(もとめご)舞が舞われました。この歌の歌詞は神社によって異なるそうです。ただ、聞きなれない現代人からすれば、歌詞を見ていても何と歌っているのかを聴き分けるのは難しいかと思います。雰囲気を感じるだけでも十分でしょう。境内もそれほど混み合ってはいませんので、機会があればご覧になってみて下さい。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。