台風21号は、4日に四国から近畿・東海のどこかに上陸する予想です。勢力が強く、厳重な警戒が必要です。
今年最も発達した台風となった21号は、非常に強い勢力で北上を続けています。気象庁の予想では、4日に四国から近畿・東海のどこかに上陸をする予想で、「強い」または「非常に強い」勢力での上陸の恐れが示唆されています。勢力は風の強さで決まるため、台風の中心付近や進行方向の右側(今回は東側)では、記録的な暴風が吹く恐れがあります。気象庁は、9月2日の段階で、4日の近畿・東海・四国・北陸の予報に暴風雨マークを出し、気象情報を発表しています。台風が来る2日も前に発表するのは異例。気象庁も相当の危機感を持っていると察します。
まだ細かい進路や最接近の時間帯は変わる可能性がありますが、仮に先日の台風20号と近い進路、すなわち室戸岬から大阪湾に入るコースを取る場合は、京阪神は特に警戒が必要で、大阪湾周辺では暴風が吹き荒れ、京都でも滅多にない風が吹く恐れがあります。風には、風速が2倍になれば、圧力は2乗になるという法則があり、強い風は非常に恐ろしいです。
室戸台風や第2室戸台風のような”伝説”の台風と比すれば勢力は落ちるものの、例えば過去の統計を見ると、京都で970hPa~980hPaまで気圧が下がると、平均風速で15m/s、最大瞬間風速は30m/sほどの風が吹いています。昨年10月の台風はこのレベルで、52年ぶりの強風となり、洛北を中心に多くの木が倒れました。今回は同レベルか、進路によってはそれ以上の危険性を持った台風です。なお、30m/sの風が吹くと1平米当たりの風圧(風速×風速×0.05)は45kgにも達します。もし35m/sが吹けば61.25kg、万が一40m/sが吹けば80kgにもなり、風は急激に恐ろしさを増すのが特徴。飛来物があればガラスは割れてしまうため、雨戸は必ず閉め、風が強いうちは開けないでください。京都は強い風に慣れていないため、特に心配です。
雨も相当量が短時間で降るため、河川が一気にあふれる恐れがあります。どこで雨や風が強まるかは台風の細かい進路によっても変わるため、必ず最新の進路予想を確認してください。近畿の日本海側や大阪湾、三重県、伊勢湾などを中心に、沿岸部では高潮にも警戒が必要となるでしょう。いまのところ、4日日中の最接近となりそうで、前回の台風や昨年10月の台風のように夜ではありません。無理をして外出をすると、一気に状況が悪化して危険な目にあう恐れもあります。避難は早めに終え、まず身の安全を確保してください。仮に前回と似たような進路を通っても、微妙な進路や勢力の違いで風の吹き方や雨の強さが変わるのが台風です。最悪の事態も想定して、最大級の警戒をお願いします。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。