法輪寺の緑と菊慈童

法輪寺
嵐山の虚空蔵法輪寺は、境内の眺めと緑が美しいお寺です。9日には重陽の節会がありました。

法輪寺嵐山にある虚空蔵(こくうぞう)法輪寺は、虚空蔵菩薩という智恵の菩薩を本尊としています。四国の室戸岬で記憶力増進の虚空蔵求聞持法を弘法大師空海が修した話は有名ですが、法輪寺も智恵授けのご利益で信仰が厚く、数え年で13歳になる男女が3月13日~5月13日の間に参拝をして本堂で祈祷を受け、大人の知恵を授かるという「十三まいり」の風習が京都には根付いています。また、12月8日と2月8日の針供養など、四季の行事でも知られています。

法輪寺 菊慈童法輪寺では「重陽の節会」として謡と舞が奉納され、菊の花が献花されたり、菊酒がふるまわれます。菊の花には「きせ綿」も被せられています。今回は目にすることはできませんでしたが、法輪寺の重陽の節会では、能の金剛流による「枕慈童」も奉納されています。堂内では「菊慈童」の人形も祀られています。なお、枕慈童と呼ぶか菊慈童と呼ぶかは能の流派によって違うそうですが、この像は菊慈童と呼ばれています。たいへんな美少年ですが、実は菊の露を飲んで700年の長寿を得ていますので、私などよりは圧倒的に年上ということになりますね。人形の周りには美しい菊の花も飾られています。この日は最後の最後、片づけの場面でお堂の外から少し姿を目にすることができました。

法輪寺法輪寺の境内は、台風による大きな被害は見当たらず、参道の階段に沿ったカエデの緑が大変綺麗でした。境内には眺望のよい場所もあり、京都を西側から一望できます。京都タワーや比叡山、よく見ると仁和寺の五重塔も望めますので、ぜひゆっくりと眺めてみてください。

法輪寺
法輪寺

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。

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