10月7日に、御香宮神幸祭の花傘パレード(花傘総参宮)が伏見で行われました。
御香宮神幸祭は洛南最大の祭りで「伏見祭」ともいわれ、10月初め(年によっては9月末から)に9日間にわたって行われます。花傘総参宮はそれぞれの氏子町から花傘や神輿などを持って御香宮神社に出向き、お参りをする行事です。花傘の参宮は、祭りの初日とその1週間後の二回ありますが、今年は台風の接近により初日の花傘は中止となり、10月6日の花傘パレードは無事に行われました。
現地で眺めると花傘の数の多さにまず驚かされます。約20の町内が、それぞれに趣向を凝らした花傘や小型の神輿を掲げ、伏見のメインストリート大手筋には威勢の良い掛け声が響き渡っています。こうした花傘の様子から、別名は「花傘祭」とも呼ばれているのです。花傘の参宮は室町時代からの歴史を持ち、当時からの風流傘の形体をいまに伝えています。この煌びやかな傘を人が持って激しく上下に揺らしながら歩きます。この持ち方は剣鉾と同様に腰の部分にあてがう形が多く、興味深いものがあります。
傘は氏子の各町内ごとに趣向をこらして作りあげられています。祇園祭では、財力のある町衆が他の町内には負けじと競い合うことで立派な山鉾へと進化しましたが、この伏見祭でも同様に、各町内が競いあうことで様々な形や大きさの花傘がそろうようになっていったようです。祭りの8日目に行われる花傘総参宮は、翌日に行われる神輿巡幸のお迎え提灯の意味合いもあります。町内の結束を確かめ合うかのように、非常に元気よく威勢よく、一行はまとまりがある感じがしました。子ども用の傘を持たせた町内も多くあり、子どもから大人までそれぞれが傘を持つことで、次代の担い手も育まれ、伝統が受け継がれていくのでしょう。この熱気は動画でもご覧ください。京都の数ある祭りの中でも特に熱いものがあります。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。