大原 来迎院と音無しの滝の雪景色

来迎院
12月29日に降った大原の雪。来迎院音無しの滝の風景です。

来迎院大原の呂川に沿って進むとたどり着くのが来迎院。この辺りへは、目的がないとなかなか訪れない場所かもしれません。大原は今から1000年以上も前から天台宗の声明(しょうみょう)の一大道場として栄えた土地です。声明とはお経に音曲をつけ、歌うように唱えるもの。その音色は大変美しく、近年では声明のコンサートも行われるほど。あらゆるメロディにあふれる現代でも、十分に人々の心に響くものです。来迎院はその声明の根本道場とされ、今ではひっそりと建っていますが、最盛期には辺りには50近くもの修行道場が立ち並んでいました。

来迎院来迎院の趣のある門をくぐり、受付をすまして、階段を上って少し高台に建つのが本堂。本堂は信長や秀吉の時代よりも前に建てられ、内部のご本尊は平安時代から伝わります。三千院の往生極楽院も素晴らしいですが、来迎院の仏像もまた素晴らしい。何より、近くで心静かに手を合わせることができます。さらに、内陣の天井には極彩色の絵が鮮やかに残されていて、荘厳さも兼ね備えています。ご本尊の前でも声明が長い年月奏でられてきたのでしょう。

音無しの滝雪は15cmほど積もっていましたが、来迎院からさらに奥にある「音無しの滝」まで足を延ばしてみました。良忍(りょうにん)上人をはじめ、声明(しょうみょう:お経に音律を付けたもの)法師は、この滝に向かって声明の練習をしました。はじめは滝の音にかき消されてしまいますが、修練を積むに従って滝の音と声明の声が調和し、最後には滝の音が聞こえなくなって「音無し」になるといいます。声は出せば出すほど喉が鍛えられて声量が大きくなりますので、さもありなんという伝説です。滝の場所は、来迎院から山道を10分程歩くと行くことができますが、雪の積もる日は足下に十分ご注意ください。

来迎院
音無しの滝
音無しの滝への道中

「京ごよみ手帳2019」訂正のお知らせ

・P39の三十三間堂「楊枝のお加持と大的大会」の日程が1月14日となっていますが、正しくは「1月13日」です。
・P225の「京都御所」のデータで、2番の休みは「月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始・臨時休あり」です。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳」監修。特技はお箏の演奏。

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