梅が有名な北野天満宮でも、早咲きの梅が見ごろとなっています。
今年は梅の開花が早い京都。北野天満宮は境内に早咲きから遅咲きまで約50種1500本の梅があり、京都有数の梅の名所として知られています。今年は例年より早く梅が咲き進んで、境内の早咲きの梅はすでに綺麗で、梅園も「見頃」のステータス。3月にかけて境内は甘い香りに包まれます。また25日の梅花祭では、上七軒の芸舞妓さんが来られての野点席が賑わいます。
北野天満宮の祭神は菅原道真で、幼いころから梅が大好きだった人物です。まだ「阿呼(あこ)」いう名前だった5歳の時に、庭に咲く紅梅を眺めて「美しや 紅の色なる梅の花 あこが顔にもつけたくぞある」と和歌を詠んだと伝わります。後に「風月の本主」と称される和歌の才能は、このころから発揮されていたのかもしれません。
道真が九州の太宰府へと左遷される時に詠んだ「東風吹かば にほひおこせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ」の歌も有名です。太宰府へ家の主の私が行ってしまっても、春を忘れずに花を咲かせ、都から吹く東風にのせて梅の匂いを届けておくれ、といった意味。別れの寂しさ、無念さをあらわす名歌として、現代に至るまで人びとの心に響いています。
境内には、早咲きから遅咲きまで、開花時期の違う梅がバランスよくそろっていて、全体として梅の見頃が長いという特徴があります。まだまだ見頃は続きますので、華やぐ境内へと足を延ばしてみて下さい。
「京ごよみ手帳2019」訂正のお知らせ
・P39の三十三間堂「楊枝のお加持と大的大会」の日程が1月14日となっていますが、正しくは「1月13日」です。
・P225の「京都御所」のデータで、2番の休みは「月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始・臨時休あり」です。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳」監修。特技はお箏の演奏。