一遍聖絵が公開されている京都国立博物館

京都国立博物館で「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」
京都国立博物館で「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」と題した特別展が開催中。6月9日までで、舟木本洛中洛外図屏風も公開されています。

京都国立博物館で「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」4月13日から京都国立博物館で行われている「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」の特別展。時宗の開祖・一遍上人の生涯を描いた国宝の一遍聖絵が模写を含めて全12巻公開されています。前期と後期とで展示替えがあり、現在は後期展。6月9日まで行われています。また、後期展の後半(現在)は、国宝の舟木本洛中洛外図屏風も展示されています。

京都国立博物館で「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」 真教上人像一遍上人は踊り念仏を初め、念仏を唱えた者に賦算(ふさん)とよばれるお札を配っていったことで知られる鎌倉時代の僧侶です。踊り念仏は、念仏で極楽往生できる喜びを体全体で表し、皆で鐘をたたきながら足を踏みならして踊るという行為によって、一種のトランス状態になって強い一体感を生んだことでしょう。一遍上人は各地を旅して、兵庫の観音堂(後の真光寺)で亡くなります。一遍上人自身は踊り念仏は自分一代限りであるとしていましたが、その踊り念仏(遊行)は弟子の真教上人や聖戒上人などから後世へと受け継がれました。

京都国立博物館で「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」一遍上人が亡くなられて10年後の1299年、弟子の聖戒上人によって一遍上人の伝記の詞書が起草され、さらに絵巻物にした一遍聖絵(一遍上人絵伝)が円以という画僧によって描かれました。一遍上人が旅した各地の自然風景に加え、庶民の細かい生活の一端まで丁寧に描かれた絵巻物で、絹地の裏から色彩を加えるなど、繊細な描き分けがなされており、鎌倉時代当時の様子がありありと伝わってくる貴重な作品として国宝となっています。

京都国立博物館で「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」展示は比較的空いており、じっくりと見学することが出来ました。一遍上人は色黒の肌で描かれているのが印象的。京都では市屋道場の場面で踊る姿や、丹後の久美浜で龍が出現する場面などが特に印象に残るでしょう。様々な立場の庶民の姿も描かれており、当時の人々の生活にも思いをはせることが出来ます。また、1階の展示では、今年新国宝になる安祥寺の五智如来像がすべて展示されています。前期展では2体だけでしたが、後期展ではすべてそろっています。848年に寺が創建された直後に造られたと推定されている、現存最古の五智如来像という仏様です。ぜひ、こちらもお見逃しなくご覧下さい。

「京ごよみ手帳2019」訂正のお知らせ

・P39の三十三間堂「楊枝のお加持と大的大会」の日程が1月14日となっていますが、正しくは「1月13日」です。
・P225の「京都御所」のデータで、2番の休みは「月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始・臨時休あり」です。
ご迷惑をおかけいたします。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

第15回・第14回京都検定1級(合格率2.2%)に2年連続の最高得点で合格。気象予報士として10年以上。京都検定マイスター。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳」監修。特技はお箏の演奏。

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