梅雨入りと大雨の「警戒レベル」

鴨川
7日の京都は朝から雨。しかし近畿地方の梅雨入りは発表されませんでした。また、今シーズンから新たに大雨の「警戒レベル」の運用が始まっています。

鴨川6月に入って本格的な雨の季節は目前のように感じられるでしょう。雨がもたらす水は貴重な資源でもある一方で、降りすぎてしまうと洪水や土砂崩れなどの災害をもたらします。梅雨入り宣言には「大雨への警戒」を呼びかける意味合いもあります。7日の雨で、東海、北陸、関東甲信、東北南部が梅雨入りということになりました。一方で近畿、中国、四国、九州北部はまだ梅雨入りの発表はありませんでした。梅雨入りや梅雨明けは人為的に決めるもので、2017年のように秋になって大幅に修正されることもあります。梅雨入りはするものではなく、させるものです。京都の週間予報(7日現在)では、10日以降に晴れマークが並んでおり、今日梅雨入りさせないとなると当面先になりそうです。

鴨川今年から大雨に関して5段階の「警戒レベル」という新たな指標が設けられ、避難勧告が「レベル4」として、本日のニュースで耳にした方もおられると思います。レベル3は避難準備で高齢者は避難を開始、レベル4は避難勧告・避難指示(緊急)に対応し、最も上のレベル5は災害がすでに発生しているかもしれないというレベルです。気象情報と自治体の避難情報、そして一般の方の行動の目安を対応させるのが警戒レベルで、なかなか複雑ではありますが、ウェザーマップの森田さんの記事が参考になるでしょう。また、気象庁のホームページの解説はこちらです。

高瀬川私の感覚では、全国的に見ればレベル3(大雨警報、洪水警報に相当)まではしょっちゅう発表されると思います。また、レベル4(避難勧告、避難指示)も梅雨末期や台風+秋雨時などは報道で連日耳にすることになる思われ、この先レベル4の危機感が弱くならないかというのは心配ではあります。レベル4は避難をして頂きたいレベルですので、ひとまずレベル4に自分の地域が該当していないかを確認されるとよいでしょう。レベル5は本当に手遅れになるかもしれないという状況ですので、命を守る行動を取って下さい。このレベル3~5は、自治体が避難勧告などと対応して発表するため、例えばレベル3相当とされる大雨警報が発表されていても、実際には自治体の避難準備高齢者避難開始の情報は出ていない=「レベル3ではない」ということは起こるでしょう。また、レベル4の中に避難勧告と避難指示(緊急)が含まれていて、果たして同じカテゴリーでよいのかという問題もあるかもしれません。

烏丸御池近畿の梅雨入りはまだとは言え、いよいよ本格的な風災害のシーズンが近づいてきました。この時期は災害への啓発も多くなり、個人的にはこうした地道な啓発がいざという時に生命財産を守ることに繋がるのではと考えています。気象災害にしても、何度も同じような災害が発生してしまうのが常で、人は時とともに過去の災害の教訓を忘れて行きます。ハード面での対策はすぐには進みませんので、私たちの意識を高めて、いざという時の被害が少しでも減ってくれることを願っています。

「京ごよみ手帳2019」訂正のお知らせ

・P39の三十三間堂「楊枝のお加持と大的大会」の日程が1月14日となっていますが、正しくは「1月13日」です。
・P225の「京都御所」のデータで、2番の休みは「月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始・臨時休あり」です。
ご迷惑をおかけいたします。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

第15回・第14回京都検定1級(合格率2.2%)に2年連続の最高得点で合格。気象予報士として10年以上。京都検定マイスター。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳」監修。特技はお箏の演奏。

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