伏見の十石舟と三栖閘門

三栖閘門
伏見では十石舟に乗ることができ、三栖閘門を見学できます。

伏見十石舟伏見の観光で人気なのが「伏見十石舟」。宇治川派流・疏水沿いを進み、特に春の桜やアジサイの時期おすすめです。人気の時期は事前に電話予約(075-623-1030)を推奨です。料金は1200円で、所要時間は約50分、乗り場は月桂冠の南、長建寺の向かいです。予約をした場合は、キャンセル料が発生するのでご注意ください。

三栖閘門伏見はかつては宇治川から淀川を経て大阪と京都を結ぶ重要な川みなととして栄え、往時は大名が宿泊する本陣が4軒もあるのを始め、宿場町としても大いに賑わいました。江戸初期には高瀬川も開削されて、人や物が集まる重要な場所だったのです。明治以降は鉄道へと人の運送は移っていきますが、疏水が合流したこともあり、物資輸送の需要は引き続きありました。

三栖閘門資料館のジオラマしかし大正時代の水害の後、宇治川に堤防が築かれると、伏見の疏水と宇治川との間に水位差が生じてしまったため、それを解消して舟を行き来させるために、パナマ運河方式の三栖閘門が昭和4(1929)年に完成しました。二つの水門ではさまれた区画で水位を上下させる仕組みで、当時は年間2万隻以上の貨物船が通航していたそうです。

三栖閘門資料館ただ、時代の流れもあって陸上運送が主流になると、昭和37年に舟運が廃止され、さらに洪水対策のため宇治川改修や天ケ瀬ダムの完成により宇治川の水位がさらに低下し、三栖閘門も役割を終えました。その後、老朽化のために撤去が検討されたこともあったそうですが、2000年に復元、再整備され、旧操作室は三栖閘門資料館としてその歴史を今に伝えています。

宇治川十石舟では、この三栖閘門をくぐって舟が入り、一旦舟を下りて三栖閘門や資料館を見学する時間も設けられています。資料館では閘門の動きを見せてくれる装置がよかったのですが、現在は故障しており見られませんでした。大変残念です。早期の復旧を願いたいですね。南の閘門脇からは宇治川を望め、現在は水位が低くなっていますが、舟が行き交った往時に思いを馳せることができます。機会がありましたら、十石舟や三栖閘門にも訪れてみて下さい。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

第15回・第14回京都検定1級(合格率2.2%)に2年連続の最高得点で合格。気象予報士として10年以上。京都検定マイスター。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳」監修。特技はお箏の演奏。

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