洛北の赤山禅院では、地蔵堂の前に寒桜が咲いています。また、新しい猿の像がお披露目されています。
赤山禅院は修学院にある天台宗の寺で、千日回峰行のゆかりや大阿闍梨が来られる珠数供養、都七福神巡りの福禄寿、都を守る屋根の猿などで、ご存じの方がおられるでしょうか。境内は紅葉の名所としても知られますが、13日に訪れるとわずかに残っていました。赤山禅院は信仰の寺としても京都の他のお寺とは一味違った雰囲気を感じられる場所でもあります。
拝殿の屋根の上には猿の像が乗っていますが、現在は老朽化により下におろされており、代替わりとなる新しい像が並んでお披露目されていました。お寺の方にお聞きすると、お正月までには屋根に乗る予定だそうで、こうして並んで見られるのも貴重な機会かもしれません。赤山禅院は都の北東、鬼門の方角に当たり、魔が去るようにという意味で猿(神猿:まさる)の像があるとされます。これまでの猿の像はユニークな顔をしていますが、新しい像は一回り小さく優しいお顔になった印象。変わらず御幣と神楽鈴をお持ちです。今後、都をしっかり守ってくれるのでしょう。これまでの猿の像も長らくのお勤めに感謝したいです。
地蔵堂の前には美しい寒桜も咲いています。寒桜は秋から冬を経て春先までチラホラと花を咲かせてくれます。同じく寒い時期に花を咲かせる他の桜は八重のものが多いように思いますが、赤山禅院の寒桜は一重の白っぽい桜です。寒い中でも頑張って花を咲かせている姿からは元気をもらえます。修学院離宮など、お近くに行かれる際は足を延ばしてみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
第15回・第14回京都検定1級(合格率2.2%)に2年連続の最高得点で合格。気象予報士として10年以上。京都検定マイスター。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳」監修。特技はお箏の演奏。