まずはお知らせから。新型コロナウイルスの流行を鑑み、3月から「京都旅屋としての散策・講座は、ひとまず中止」の方向で明日から調整に入ります。楽しみにされていた方は申し訳ありません。すでにお申込みいただいている方へのご連絡は、調整が済み次第、個別にさせていただきます。2月中は今から各人への中止連絡は難しいのもあり、予定通り開催しますが、せき・発熱の症状がある方は申し訳ありませんが、参加をご遠慮ください。キャンセル料は不要です。なお、吉村は今のところ無症状、散策・講座は2月前半からマスク着用で行っています。ただし、他所が主催の散策・講座は、主催者の指示に従いますので、3月以降も開催されるものがあると思います。
さて、武信稲荷神社は三条会商店街の西友から西へ行った道を南に下がった場所にある神社です。創建は平安時代で、藤原良相(よしすけ)が、藤原氏の学問所であった勧学院や医療施設であった延命院の鎮守として創建したと伝わり、後世に藤原武信(詳細不明)が信仰をしたため武信稲荷神社と呼ばれるようになったといいます。
境内には平重盛が安芸の厳島神社から苗木を移したと伝えられる巨木のエノキがあり、樹齢は850年とされます。この木が坂本龍馬の由緒を伝えています。幕末、神社の南には神社の南には幕府直轄の六角獄舎という牢獄があり、勤王の志士が多数収容されていました。その中に 坂本龍馬の妻おりょうの父である楢崎将作(ならさきしょうさく)が捕らえられていたのです。おりょうや龍馬は身を案じますが面会は出来なかったため、神社の大木の上から獄舎の様子を探ったといわれています。
その後、龍馬自身も命を狙われ追われることになると、龍馬は身を隠し、二人は離れることとなりました。おりょうは龍馬の身を案じ、二人で何度も訪れた武信稲荷神社のエノキをふと思い出し訪れてみると、エノキの木には龍馬独特の字で「龍」の文字が彫ってあったのだそう。龍馬が京都にいることを知ったおりょうは二人の共通の知人を訪ね、二人は再び出会えたと伝わっています。今もそびえるエノキの木には「龍」の字はありませんが、木に宿る弁財天を祀る宮姫社は縁結びのご利益があるとされています。エノキは「縁の木」にも通じます。
武信稲荷神社の社務所では「龍馬おみくじ」が授与されており、その内容が個性的。龍馬のイラスト入りで土佐弁で結果が書かれています。昨年引いてみたところ「喝」という珍しいものが出ましたが、今年は一緒に散策で訪れた方が「晴」というものを引きました。一般的な大吉や凶もありますので、珍しいものが出たらある意味ラッキーかもです。神社に訪れる際には引いてみるのも面白いでしょう。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
京都検定1級に3年連続最高得点で合格(第14回~第16回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。