六孫王(ろくそんのう)とは源経基(みなもとのつねもと)のことで、父親の貞純親王(さだすみしんのう)が清和天皇の第「六」皇子であり、経基が清和天皇の「孫」にあたることから名付けられました。神社の建つ場所は経基の邸宅跡で、子の源満仲(みなもとのみつなか)が父を祀ったのが始まりと言われています。神社内に経基のお墓もあります。経基は、平将門や藤原純友の反乱(承平天慶の乱)にも関わり、満仲は武士団を組織して清和源氏としての基礎を確立。子孫も数々の武功を挙げて、後の源頼朝らへとつながっていきます。
さて、六孫王神社の境内は計3回も鉄道によって浸食されています。明治時代に2回。2回目の東海道線の建設に伴って、すぐ北にあった源実朝ゆかりの遍照心院(へんじょうしんいん)と呼ぶお寺も移転してしまいました。現在は大通寺として九条大宮の南にあります。すぐわきを新幹線が通る境内は、4月には八重桜や藤、ツツジが綺麗に咲きます。先日、所用で近くに行った際に参拝させていただきました。
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吉村 晋弥(よしむら しんや)
京都検定1級に3年連続最高得点で合格(第14回~第16回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。