天寧寺の額縁門と明智光秀公報恩塔

天寧寺の額縁門
先日歩いた上京。天寧寺の額縁門と明智光秀公報恩塔の風景です。

天寧寺の額縁門寺町通にある天寧寺は額縁門が有名です。門から覗く風景がちょうど額に入った絵のように見えることからそう呼ばれ、特に比叡山の眺めが印象的です。天寧寺は曹洞宗の寺院ですが、この場所に移ってくるのは秀吉の時代。もとは天台宗の松陰坊があった地ですので、比叡山を意識した眺めとなっているのかもしれません。墓地には茶人の金森宗和や鹿児島で有名な示現流の開祖といわれる善吉和尚のお墓がありますが、基本は非公開です。

明智光秀公報恩塔一方で、明智光秀公報恩塔なるものも建ち、知る人ぞ知る光秀スポットでしょう。以前に撮っておいた写真を掲載します。平成11(1999)年の本堂修理の際に須弥壇の天井裏から光秀の位牌が発見されたことに由来するとのこと。現地の石碑にある説明書きを意訳すると、天寧寺は元は会津にあり(現在も同名のお寺があり、近藤勇の墓があることで知られます)、会津から天正年間に京都へ移ってきたとされますが、そこに光秀が関わっていた可能性があり、その報恩のため江戸時代に位牌が作られたのではないかということのようです(ただし本当に光秀が関わったかは不明)。天井裏に置かれたのは謀反人だったからでしょうか。経緯は想像の域を出ないものだと思いますが、光秀は比叡山焼き討ちを行った人物でもあり、松陰坊の旧地であり比叡山が望める天寧寺とは、全く無関係ではなさそうな印象です。近隣には信長の墓がある阿弥陀寺もあり、併せてご参拝いただくとよいかもしれません。なお、直接のつながりはないようですが、福知山市にも同名の天寧寺があり、そこには光秀の文書が伝わっています。また、天寧寺は祇園祭のベルギー製のタペストリーの関連でも名前が出てくるなど、他にも様々な話題があるお寺です。

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吉村 晋弥(よしむら しんや)

京都検定1級に3年連続最高得点で合格(第14回~第16回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。

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