妙心寺の境外塔頭の金臺寺(金台寺:こんたいじ)が、7日まで特別公開されています。
金臺寺(金台寺:こんたいじ)は、妙心寺の境外塔頭で、嵐電の等持院・立命館大学衣笠キャンパス前駅から北へ入った場所に位置します。妙心寺からはずいぶん離れており、塔頭といってもイメージがわきにくいかもしれません。歴史的には寺地や名称をたびたび変更し、江戸時代や明治時代には無住となった時期もあるため、由緒には不明な点も多いですが、戦国時代の終わりには正親町(おおぎまち)天皇の再興に関する綸旨(りんじ)が妙心寺に伝わっているとのことです。
金臺寺は、昨年11月初めの非公開文化財特別公開で公開されていましたが、今年は寺独自での公開で、11月7日(土)9時~16時、500円で行われています。10時と15時には法要があり、一般の方も参列できるそう。寺は2年前の台風で大きな被害を受けて伽藍の傷みが進んでおり、寺院存続のための修復資金集めとして特別拝観を行っておられます。
さて、本堂には19世紀後半に活躍した京狩野の狩野永岳による水墨画の襖絵があり、目の前で見ることができました。狩野永岳は、京都御所の「諸大夫の間」の鶴図などで作品を目にすることができ、当代一流の絵師でした。また、臨済宗中興の祖とされる白隠(はくいん)の「法具変妖之図」は、道具が妖怪になった面白い姿がコミカルに描かれています。
庭園は先代のご住職様によって整備されたそうですが、植栽が多く落ち着く眺め。本堂の奥には波打ちガラスが残り、庭の東の池を望むことができます。面白いのが、屋根の雨水が樋から池に注ぐように誘導されている点。雨の日は豪快な光景なのだろうと思いました。他には、釘隠しの菊の御紋の一部が漆で隠されてるのも印象的でした。
本堂の奥からは階段で2階に上がれ、異なる視点で庭を望めるほか、舌(ぜつ)ヒデ子氏のカッパの作品が随所に展示されています。心癒やされますので、ゆっくりとご覧下さい。この秋は7日で終了ですが、来年も公開されるとのこと。機械がありましたら、ぜひ足を伸ばしてみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
京都検定1級に3年連続最高得点で合格(第14回~第16回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。
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