渉成園の紅葉が綺麗です。今年は浚渫工事のため、池の水が抜かれています。
渉成園は、寛永18(1641)年に、東本願寺の宣如上人が徳川家光より土地の寄進を受け、石川丈山が庭園を築きました。当初は生垣に枳殻(からたち)が植えてられていたため枳殻邸(きこくてい)とも呼ばれています(カラタチは現在も一部が残る)。幕末の火災で主な建物は失われましたが、池泉回遊式の美しい庭園が残り、現在は桜と紅葉の穴場のみならず、梅や藤など四季折々に美しい風景を楽しむことができる場所です。大きな印月池の汀は広々として開放感がありますが、今は浚渫工事のため水が抜かれています。
園内では再建された建物も趣があり、園内中央にある楼門造りの傍花閣(ぼうかかく)が特に印象的ですが、池にかかる屋根付きの木橋は回棹廊(かいとうろう)と呼ばれ、中央部の唐破風屋根が特徴。園地は平安初期の貴族・源融(みなもとのとおる)の邸宅・六条河原院の跡とされることもありますが、場所がずれており史実ではありません。ただ、六条河原院を偲んで塩釜の手水鉢が置かれていたり、造営中に発掘された石塔が源融の供養塔として建てられています。
7日に訪れると丹楓渓(たんぷうけい)と称される池の北側の紅葉が見事でした。京都の紅葉はまだ終わっておらず、色づきが遅い場所はまだまだ綺麗です。この先も朝晩は冷えますが、日中は暖かい日が多く、引き続き紅葉を楽しむのに適した日が続きます。感染対策をしつつお楽しみください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
京都検定1級に3年連続最高得点で合格(第14回~第16回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。
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