西院春日神社の若菜粥

西院春日神社の若菜粥

1月7日に、西院春日神社では春の七草を入れた若菜粥の接待がありました。

西院春日神社の若菜粥1月7日は人日の節句。七草粥をいただく習わしがあります。その歴史は、平安時代の宇多天皇の時に七種の若菜を入れた粥を神に供えたのが始まりとされます。正月子(ね)の日に野辺に出て若菜を摘むの「若菜摘み」の風習と、中国の風習である七草を食す風習が合わさって宮中の行事に取り入れられていきました。宇多天皇の父である光孝天皇は「君がため 春の野に出て若菜つむ 我が衣手に 雪は降りつつ」の歌を残しています。

西院春日神社の若菜粥七草粥は、もとは羹(あつもの、汁)を食したものが室町時代に粥に変わったとも聞きます。江戸時代に正月7日に将軍が七草粥を食べる祝儀が定まってから、民間にも広まって行きました。春の七草と言えば「せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ (はるのななくさ)」と、和歌のように五七五七七のリズムで読むと覚えやすいでしょう。しかし、春の物を二十四節気「小寒(しょうかん)」過ぎの「寒の内」、つまり一年で最も寒さが厳しくなり始める時期に頂くのは不自然です。実は本来の七草粥は「旧暦の1月7日」に頂くものでした。現在の暦だと2月の上旬ころにあたり、城南宮では往時の季節感に合わせて2月11日に七草粥を頂くことができます(2021年は中止が発表)。

西院春日神社の若菜粥西院春日神社の七草粥は「若菜粥」と呼ばれていて、300円で授与されます。境内には近隣の方と思しき人々が例年長い行列を作りますが、今年はまばらでした。席の間隔を空けたり、紙の食器を使うなど工夫がなされていました。若菜粥には、里芋と梅干・昆布もついています。粥だけでは少し味が物足りないかもしれませんので、一緒に食べるとちょうどよいでしょうか。特に里芋は美味でした。また、箸の袋には「丑」の文字。毎年その年の干支が特別に描かれているのも特徴です。

西院春日神社の若菜粥胃腸によいという七草粥。古くからの伝統を感じながら食させていただきました。なお本殿の前では、邪気除けの白馬(あおうま)飾りが公開されました。年の始めに白馬(あおうま)を見ると一年の邪気が祓われるといわれています。なんとか今年も無事に過ごすことができればと願っています。

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ガイドのご紹介

吉村 晋弥(よしむら しんや)

京都検定1級に3年連続最高得点で合格(第14回~第16回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。

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