京都十六社朱印めぐり 元日での達成 2021年前編

京都十六社朱印めぐり

今年の1月1日に、京都十六社朱印めぐりを全て回ってきました。今回はその様子や神社の特徴などをレポートします。

京都十六社朱印めぐりまず最初に前置きをば。この京都十六社朱印めぐり、そもそも1日で回るようなものではありません。通常はじっくりと京都の散策を楽しみつつ、1日に4-5か所程度で巡るのがちょうどよいかと思います。地図で場所を調べて径路を考えつつ、時には道に迷いながらたどり着く、といったイメージです。ということで、決してお勧めはしませんが、1日でしかも元日に全て巡ることも可能だという例として、またこれから巡る方の参考になれば幸いですので神社の見どころも簡単にまとめています。なお、2012年、2018年、2020年にも同じく元日に達成し、元日に成し遂げるのは今年で4回目、巡拝は通算で6回目です。

京都十六社朱印めぐり京都十六社朱印めぐりは、一年の初めに京都各地に点在している16か所の神社を巡って専用の朱印帳に朱印を集め、あらゆるご利益を頂くというものです。その範囲は広く、西は長岡天満宮、南は御香宮神社、北は今宮神社とまさに京都一周。京都の散策をじっくりと楽しみたい方にもお勧めです。朱印は1か所300円(つまり16か所で4800円)、期限は2月15日までで、午前9時~17時まで受け付けられています。2020年から少しリニューアルされ、専用のご朱印帳や手提げ袋が新しくなったほか、巡拝成就印が加わりました。最後の16か所目の神社で、巡拝成就印を押していただけます。ホームページで掲載されていますので、事前に確認してご自身の好みの場所を最後の場所にしていただくのもよいでしょう。

京都十六社朱印めぐり1日(9時~17時の8時間)で16か所を巡るには、30分に1か所のペース。駅などから遠い場所も多く、短時間で効率的に巡るには戦略が必要になりますが、元日での達成は今年で4回目。長岡天満宮までは電車で、それ以外は全て自転車移動という手段で十六社+αで4-5か所は参拝可能ではあります。元気に自転車をこぐ体力と恵まれた天候が必要かもしれませんが、やる気にさえなれば、十分なんとかなるでしょう。なお、バス移動では、乗換えや徒歩を考えると1日制覇は厳しいかもしれません。自家用車やバイクなどでも可能そうですが、駐車場が無い神社や交通規制もあるので、思いもよらぬ苦労があると思います。

粟田神社今回のスタート地点は粟田神社。東山で初日の出を見た後、朝食をとってから9時過ぎにスタートです。最初の参拝と御朱印をいただきます。台紙は最初の神社でいただけますので、十六社朱印めぐりとは別にいただきたい場合を除き、自分の御朱印帳を持参する必要はありません。こちらは十六社の中では最も眺望がよい神社でしょう。その分、階段を上らねばなりませんが、眺望を楽しみにして頑張りましょう。ご利益は厄除けと旅立ち守護。旅立ち守護は、この地が江戸時代の東海道の出発点にあたるため。祭神のひとりオオナムチノミコトも各地を旅し、苦難も経ながらオオクニヌシとなりました。厄除けは、もうひとりのご祭神が八坂神社と同じスサノオノミコトであるためです。祇園感神院と呼ばれた八坂神社の新宮とされ、鳥居には粟田神社ではなく「感神院新宮」の額も上がっています。最近はアヒルの浮かんだ手水鉢が話題ですが、凍り付いていました。

熊野若王子神社2か所目は熊野若王子神社。京都三熊野のひとつです。哲学の道の入り口にあるためか、ご利益に学業成就があります。商売繁盛のご利益は、本殿向って左側の恵比寿様にまつわるもので、こちらの恵比寿像はもともと夷川通で祀られていたものとされています。つまり、洛中の夷川通の元祖の恵比寿様。こちらにも忘れずにご参拝いただくとよいでしょう。

岡崎神社3か所目は岡崎神社。こちらは、平安遷都時に桓武天皇が都の東=兎の方向を守るために祀ったのが始まりです。また神社の付近には野生のウサギも多かったといわれ、そのような理由から神の遣いがウサギとされました。境内はウサギの狛犬など、可愛らしいものがあちこちで見られます。ご利益は多産のウサギにちなんで子授け。安産は、平安末期に中宮の安産祈願がされた由緒もあります。

熊野神社4か所目は熊野神社。京都三熊野のひとつです。他の熊野神社よりも創建が古く、聖護院の鎮守社ともされました。ご利益は縁結びで、イザナギ・イザナミの夫婦が祀られていることによります。ただ、これは他の熊野神社でも同様。ご利益を区別をするために、京都三熊野で最も古いこの神社にあえて縁結びを掲げているのでしょう。また、境内には八ツ橋発祥の地の石碑もあり、近くの本店まで足を延ばしてみても楽しいかと思います。

上御霊神社5か所目は上御霊神社。地元の方々の篤い信仰を集めておられます。地元の方から以前に伺ったのは、上御霊神社に参拝する際には日ごろの感謝は感謝を伝え、お願いをする際は、きちんと昇殿をして祈祷をしていただくそうです。境内には「応仁の乱 発端の地」の石碑もあります。なお、熊野神社との間で下鴨神社にも参拝させていただきました。

今宮神社6か所目は今宮神社。厄除けの神社として知られています。平安遷都以前から疫神を祀る社があったともされ、ちょうど1000年ほど前に都に疫病が流行った際、船岡山でこの疫神を神輿に奉じて祈りました。その後、再度の疫病流行時には現在地に新しく社殿を築き、古い社(宮)に対して今宮と呼んだのが名前の由来です。境内には、「玉の輿」に由来するお玉さん(桂昌院)のレリーフ像もあります。玉の輿お守りもありますので、未婚の女性にはおすすめでしょうか。なお、例年元日の境内は大いに賑わっていて、東門の門前に立つあぶり餅屋さんも開いていますが、今年は例年ほどの混雑ではありませんでした。

わら天神7か所目は、わら天神。正式名は敷地神社です。安産の神社として名高く、この日も小さな赤ちゃんを抱いた方を見かけました。授けられる「わら(藁)」のお守りに節があれば男の子、なければ女の子が生まれるといわれています。ご祭神は、木花開耶姫命(このはなさくやびめのみこと)で、一夜の契りで三人の子を身ごもったとされ、なんと出産は産屋に火をつけて・・・と、安産と言ってよいかは受け取り方次第かもしれませんが、いずれにしても三人の子を無事に産んでいます。また、本殿のとなりには六勝神社という縁起の良い名前の摂社もあり、入試合格・心願成就の神として信仰を集めています。合わせてご参拝されるとよいでしょう。なお、わら天神に訪れる前に北野天満宮と平野神社にも参拝しました。いずれも由緒ある神社。今年は丑年のため、北野天満宮は賑わいますが、それでも例年よりは少なかったです。8カ所目からは、次回以降にご紹介します。

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ガイドのご紹介

吉村 晋弥(よしむら しんや)

京都検定1級に3年連続最高得点で合格(第14回~第16回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。

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