深草の石峰寺では、南天の実が色鮮やかです。
石峰寺は、深草にある黄檗宗のお寺で、伊藤若冲が下絵を描いて約10年がかりで完成させたという五百羅漢像があることでも知られ、境内には若冲の墓もあります。五百羅漢は撮影ができませんが、ユーモラスな雰囲気さえ感じる独特な表情の石仏がずらりと並ぶさまは壮観です。一歩離れた全体を見渡せる場所にある石仏は若冲自身だとも聞きます。五百羅漢の周囲は竹やぶで、暖かい時期は蚊が多いため、この冬の時期こそ訪れるのによいかと思います。なお、石峰寺の五百羅漢は撮影が禁止ですのでご注意下さい。東京の椿山荘(ちんざんそう)には大正14年頃に石峰寺から移された約20体の像がありますので、参考にその写真を掲載します。
また、冬の境内は南天の実が色づいて、門前の竜宮門との取り合わせも絵になります。色彩の乏しい冬の季節、南天の実の赤色は目に鮮やかです。たくさんの南天が植えられていますので、まさに冬の石峰寺は旬の時期ではないでしょうか。本堂は昭和54年に不審火で焼失したあと、昭和60年に再建されたもので、瓦には様々な意匠が見られます。伝統的な深草の名物に瓦がありますので、もしかしたら関係しているのかもしれません。細かく見ていくと興味深いものが色々とある境内。ぜひ、じっくりとご参拝ください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
京都検定1級に3年連続最高得点で合格(第14回~第16回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。
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