今年も興正寺の紅梅が綺麗に咲いてきました。
興正寺の梅は、浄土真宗らしい立派な伽藍を背景に咲きます。西本願寺の隣にあるため同じ寺と間違われる方もいますが、別なお寺です。室町時代、佛光寺の経豪が佛光寺を弟に譲り、自らは山科に新たに興正寺を建立したのが始まり。当時の佛光寺は現在の京都国立博物館の地にあって天台宗の妙法院とつながりが深く、経豪はそこからたもとを分かって本願寺の蓮如に近づくと、名前を蓮教と改めています。
興正寺は山科本願寺とともに天文元(1532)年に、焼かれてしまいましたが、その後大阪に再興され、天正19(1591)年に本願寺とともに現在地に移転してきました。ただその後、本願寺と論争を起こし、明治9(1876)年に本願寺から独立をして、現在に至っています。このように元々西本願寺とのつながりが深いため、伽藍配置も西本願寺と同じで、向かって左が御影堂、向かって右が阿弥陀堂となっています(東本願寺はこれが逆になる)。御影堂は明治45年、阿弥陀堂は大正4年の再建です。現在、御影堂は工事のため足場が組まれています。
境内の梅は紅梅と白梅がありますが、例年紅梅の方が先に見ごろとなります。今年は梅の開花が早く、興正寺の紅梅も順当に咲いてきています。お近くに行かれた際には、是非美しい梅を楽しんで下さい。なお「月刊 茶の間 2月号」では、梅特集を監修させていただきました。興正寺の梅もご紹介しているほか、じっくりと静かに楽しめる京都の隠れた梅のスポットを掲載しています。お楽しみ頂けますと幸いです。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
京都検定1級に3年連続最高得点で合格(第14回~第16回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。
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