光明院の波心庭

光明院

先日ご案内で、東福寺の光明院を訪れました。

光明院桜の頃にわざわざ東福寺を訪れる方は少ないでしょう。京都屈指の紅葉名所として知られる東福寺には、一般に桜がないと言われているためです。室町時代、今も東福寺に伝わる釈迦の「大涅槃図」を描いた明兆(みんちょう)は、将軍・足利義持(よしもち)からその絵の見事さを褒められ、褒美をとらされることになりました。

光明院その際に明兆は、なんと桜の伐採を願い出たのでした。当時、東福寺の境内には千松林と呼ばれる松の木が植わり、渓谷には桜の木があったそう。しかし桜を愛するあまり多くの桜の木を植えれば、後世かならず遊興の場となるからと、境内全ての桜の伐採を望んだと伝わっています。現在も、たしかに境内には多少の山桜と、勝林寺への分岐の付近にソメイヨシノがあるくらいで目立った桜はありません。

光明院ただ、例外が東福寺の南にある塔頭・光明院です。重森三玲によって作庭された「波心の庭(波心庭)」には75個の石が並び、3組の三尊石から放たれる光明が表現されています。「雲は嶺上に生ずることなく、月は波心に落つること有り(無雲生嶺上 有月落波心)」という禅語にちなみ、奥のサツキ・ツツジの刈込が雲紋を表し、高台の茶室・蘿月庵は月を表しますが(蘿月:らげつ=蔦の葉の間に見える月)、春になると茶室を飾る桜が見事。桜はさながら月から放たれる優しい月光といったところでしょうか。定かなことは分かりませんが、光明院が静かに桜を眺めることができる場所であるのは確かです。4日に訪れると、散った桜が苔に散り敷いて大変綺麗でした。今年も訪れることが出来て感謝です。なお、現在は散り果てているかと思いますが、新緑も大変綺麗です。

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ガイドのご紹介

吉村 晋弥(よしむら しんや)

京都検定1級に4年連続最高得点で合格(第14回~第17回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。

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