京都の気候変化 10年に1回の平年値更新

夏の鴨川

今年は10年ぶりの気象庁の平年値更新の年です。平年値は過去30年間の観測値をもとにして算出し、10年に1回だけ更新されます。

鴨川の桜今回の更新は5月19日から運用が始まり、1991年~2020年までの30年間の平年値を向こう約10年間使用します。5月18日までは、1981年~2010年までの30年間の平年値が使われていました。平年値をもとに「異常気象」も判定されますので、これからの異常気象と、これまでの異常気象は元となる基準が異なっていることに注意が必要です。

秋の夕焼けなぜ30年間の平均なのでしょうか。ひとつは国際的に決まっていて、それは長期的な変動を計るためだとされます。また、多くの人間にとって直近30年~40年の値が感覚的に「平年値」となるからでしょう。例えば50年や100年間を平均しても、特に古いデータに影響される最低気温などでは、毎日「平年より高い」ばかりが出てしまうことにもなりかねず、今を生きる現役世代の感覚と異なってしまうからです。あくまで、現在を生きる私たちのための情報ですので「平年値」は30年程度に収まるのだと思います。

鴨川 7月私が気づいた範疇で京都の平年値の変化を解説します。数字は気象庁ホームページの資料を参照しています。まず、最高気温が35℃を超える「猛暑日」の日数。京都は全国の気象台がある都市47か所の中で1位で、日数は19.4日もあります。これまでの平年値と比べると4日も増えました。暑いといわれる熊谷でも18.1日。多治見を抱える岐阜で16.7日。南の鹿児島や那覇は海洋性気候のため極端に暑くはならず、鹿児島6.1日・那覇0.2日とかなり少なくなっています。しかし、いずれの都市もこれまでの平年値よりは日数が増えており、近年の猛暑が反映されています。なお、京都の猛暑日日数は前々回の平年値と比べると7日も増えており、厳しい暑さとなる日は昔よりも確実に増えていることがわかります。

鴨川 1月月別の平均気温も全体的に上昇しています。最低気温25℃以上の「熱帯夜」の日数は+6.5日と寝苦しい夜が増え、反対に気温が0℃以下になる「冬日」の日数は-4.9日と、確実に寒い朝は減っています。これは全国的な傾向です。ちなみに京都の前々回の平年値と比べると、熱帯夜の日数はなんと+11.3日、冬日の日数は-9.4日で、右肩上がりで暖かくなっています。また、桜の開花日は2日早まり3月26日、近畿地方の梅雨入りの平年値は1日早まって6月6日ごろ、梅雨明けは2日早まって7月19日ごろとなっています。年降雪量は15cmと、これまでの79%に減りました。平年値の変化を見ると、全体的に暑い日が増え寒い日が減っていることが、今回の更新でもはっきりと読み取れます。気候の変化は日々暮らしていると気が付きにくいですが、10年単位で変化を見ると、ゆっくりとそして確実に変化しています。

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ガイドのご紹介

吉村 晋弥(よしむら しんや)

京都検定1級に4年連続最高得点で合格(第14回~第17回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。

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