伏見稲荷大社では茅の輪が登場しています。
朱色の社殿で知られる伏見稲荷大社。海外の方に人気の場所でしたが、昨年来、人出がまばらな状態が続いています。門前のお店も閉まっているところが多く心配ですが、人影のない千本鳥居などの写真も今なら撮れるような状況です。
伏見稲荷大社は、全国に3万とも4万ともいわれる稲荷社の総本宮。御祭神の宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)は穀物の神で、五穀豊穣の神とされ、そこから商売繁盛の神へと信仰が発展していきます。伏見稲荷といえば鳥居や社殿の鮮やかな朱色ですが、お山めぐりをすると「お塚」と呼ばれる信仰対象の石碑が立ち並ぶ空間も現れます。
入り口の楼門は豊臣秀吉が寄進したとされる立派な門で、6月に入って茅の輪が登場しています。茅の輪は疫病を広める牛頭天王(ごずてんのう:武塔天神)が、旅先で一夜の宿を求めた際に快く泊めてもてなした蘇民将来(そみんしょうらい ※人物名)の故事から来ています。牛頭天王は村に疫病を広めますが、蘇民将来の子孫は腰に茅の輪を巻けば疫病から逃れられると告げたとされ、現在は茅の輪や祇園祭の粽といった形で伝わります。これから6月末にかけて各地で茅の輪くぐりが行われますので、無病息災を祈願していきたいと思います。
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京都検定1級に4年連続最高得点で合格(第14回~第17回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。
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