平野神社の拝殿の修復が進んでいます。ムラサキシキブ(コムラサキ)も綺麗でした。
平野神社は桜の名所として知られていますが、その格式も高く、もとは桓武天皇の母である高野新笠(たかののにいがさ)が平城京にあった御殿に祀ったいう神社で、長岡京を経て平安遷都時にこの地に移されたとされています。平野神社の神々は総称して「平野皇大神(ひらのすめおおかみ)」と称され、具体的には4柱の神様がお祀りされています。
今木神(いまきのかみ)は今を生きる力を与えてくれる神様。久度神(くどのかみ)は、生活に困らないように導いてくれる神で竈(かまど)の神様。古開神(ふるあきのかみ)は、邪気を払ってくれる神様、比売神(ひめのかみ)は、新しいことを生みだしてくれる女性の守り神。それぞれの神様は活力・やる気につながる印象です。
境内は2018年の台風で被害を受け、江戸時代の初めに東福門院によって寄進された拝殿がつぶれてしまいました。平野神社の行事では欠かせない建物で、大変残念な出来事でした。拝殿の復旧には1億2千万円(境内復旧整備を含めて総額1億3千万円)が見込まれ、寄付も募っておられますが、再建工事は進められており、9月1日に訪れると美しい檜皮葺の屋根や、輝く金具が見えるようになっていました。復旧されていく様子はいち京都ファンとして嬉しく思います。
境内にそびえるのが樹齢約400年というクスノキも、台風で枝が折れるなどしましたが、再び樹勢を取り戻しています。幹の根元には板が敷かれて木に触れることもできるようになっていますので、ぜひその姿からも元気をいただいてみてください。
春の桜の華やかさで知られる境内ですが、9月から10月にかけてはムラサキシキブ (コムラサキ) の実が美しく色づいています。境内南寄りの桜の木のたもとにたくさん植わっていますので、ご参拝の際にはご覧下さい。
ガイドのご紹介
京都検定1級に4年連続最高得点で合格(第14回~第17回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。
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