勝念寺の萩の花

伏見の勝念寺は、この時期に萩の花に覆われます。

勝念寺

勝念寺は丹波橋駅の西にある浄土宗のお寺で、通称「かましきさん」の名前で知られています。現在東山にある大雲院を創建した貞安(ていあん)上人が、信長が本能寺の変で討たれたのちの天正15(1587)年、布教の拠点として秀吉の城下町だった伏見に建立したお寺です。信長は貞安上人に帰依していたとされ、寺には安土で信長より賜った釜敷地蔵(鎌倉時代作)が伝わっています。この地蔵尊は、釜茹でに苦しむ地獄の亡者に代わって自ら釜の中で苦しみを受けるというお地蔵様とされ、境内のお堂で参拝をすることができます。

勝念寺

同じく信長から賜ったという閻魔様の像(閻魔法王自作の霊像)は、平清盛の頃、いまは宝塚の清荒神としてしられる摂津国の清澄寺の尊恵が閻魔法王より自作の像を賜り、手のひらに握ったまま蘇生したとの伝承があります。尊恵が伊勢神宮に参拝した際に伊賀上野に祀られ、のちに信長の手にわたり、貞安上人に下賜されたとのこと。あるいは像は尊恵より平清盛に献上され、平家ゆかりの者が所持してきたともされます。大きさは一寸八分(約5.5㎝)の小像で、閻魔様の真の心を伝えるという穏やかな慈悲の顔をしているのが特徴です。

勝念寺

境内には二十数種、約100株の萩が植えられ、この時期は旺盛に茂って綺麗な花を咲かせています。また、足元には彼岸花もたくさん出て、萩とともに境内を華やかに見せています。お寺では「萩振る舞い」と呼ばれて、この時期は8時~17時まで境内を自由に歩くことができます。身代わり→かわる→かえるの語呂合わせから、境内にかわいい蛙の像が多いのも特徴。蚊もいますので、虫除けを準備していくとよいでしょう。先日訪れると、見頃になってきたタイミング。まだまだ楽しめそうです。

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ガイドのご紹介

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京都検定1級に4年連続最高得点で合格(第14回~第17回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。

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