京都古文化保存協会の「非公開文化財特別公開」が行われています。東福寺周辺を訪れました。
毎年この時期に行われる、秋の非公開文化財特別公開。今年は東福寺やその塔頭を中心に公開されています。具体的には、南明院が7日まで、光明院書院2階・正覚庵が14日まで、天得院が17日まで、三門と法堂が12月5日まで公開されています。拝観休止日がある場所もあるため、詳細は事前にご確認下さい。料金は1カ所1000円。残念ながら写真はNGの場所がほとんどかと思います。解説は学生さんによる解説です。
中でもおすすめは「正覚庵」です。筆の寺として知られるお寺で、11月23日の筆供養が知られます。境内は通常非公開ですが、今回は14日までの公開。個人的にも筆供養以外では初めて訪れましたが、寺内は思いの外広く、書院の襖絵は風神・雷神の絵が可愛らしかったです。そして本堂は綿花貿易で財をなした白洲文平(ふみひら)の、いわゆる白洲屋敷を移築したもので、大正の終わり頃の建築とみられています。建築道楽とも称された、その個性的で遊び心が満載の意匠には驚かされました。
文平の息子の白洲次郎も、イギリス留学から帰国後、結婚までの間にこの建物に住んでいたようだとされます。庭園も美しく、いずれも写真が撮れないのが大変残念でした。ということで、このブログには表に掲示されている看板の写真しか載せられません。ぜひ、皆様も現地でご覧下さい。
光明院は、書院2階からの眺めが公開。こちらは近日中に別途ブログでご紹介します(2階からの眺めは撮影不可)。南明院(なんめいいん)は、秀吉の妹で家康に正室として嫁いだ旭姫(朝日姫)のお墓がある寺院。第2世が大涅槃図で知られる明兆(みんちょう)で、その自画像が江戸時代に模写された絵が公開されています。令和元年に蒼穹庭と呼ばれる庭園が築かれ、まだ新しさを感じました。東福寺の他にも非公開文化財が目に出来る貴重な機会ですので、期間と休止日にご注意の上、各地訪れてみて下さい。
ガイドのご紹介
京都検定1級に4年連続最高得点で合格(第14回~第17回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。
京ごよみ手帳2022発売のお知らせ
吉村が監修した「京ごよみ手帳2022」が11月中旬に発売予定です。詳細はこちらからご覧下さい。
散策・講座のお知らせ
- 【過去の講座動画の販売を行っています!】
過去の講座動画の販売はこちらから。 - 【受付中!】 11月12日(金)13時15分~15時45分
生身の釈迦如来像の清凉寺から1200体の石仏が立ち並ぶ愛宕念仏寺へ - 【講座を受付中!】11月12日(金)18時30分~20時30分頃
- 京都の紅葉講座 2021年 吉村のおすすめスポットを解説!
- 【講座を受付中!】11月24日(水)・28日(日)
京都の名木 〜いにしえを知る木々をたどる〜 - 【講座を受付中!】11月26日(金)
- 京都の定番スポット徹底解説 三千院・寂光院 ほか
- 【開催予定】11月30日(火)午後、12月1日(水)午後 → 行き先未定
- 【見逃し配信を受付中!】
史跡でたどる京都物語 〜歴史の面影をたずねて〜 - 【オンライン講座】NHK文化センター梅田教室で受付中!
京都の魅力を徹底解説!プロガイドが教える定番から穴場まで - NHK文化センター京都教室で受付中!
ガイドが教える 四季を感じる穴場の京都 - NHK文化センター神戸教室で受付中!
旬の京都を再発見!プロのガイドと歩く秋から冬の古都