例年より遅れて頂妙寺のイチョウが色付きました。まだ楽しめます。
平安神宮の大鳥居の前、琵琶湖疏水に沿って東西に延びるのが仁王門通で、この通り名の由来となった仁王門を持つのが日蓮宗の本山のひとつの頂妙寺です。川端通から仁王門通を東に入り、ほどなく北側に入口が現れます。あるいは二条通からも境内には入ることができます。頂妙寺はかなり広い境内を持っていますが、各地を転々としてきた寺がこの地に移ってきたのは江戸時代の1673年。直前に起きた内裏の火事をきっかけに現在の京都御苑内から移転してきたといわれています。
その後、1708年の宝永の大火をきっかけとして、御所一体の他の街々も頂妙寺の周りに移転をして「二条川東」という地域が築かれました。通りを挟んで街ごと移動してきた新開地です。南北に伸びる「新丸太町通」が頂妙寺の南にあるなど「新」と名前の付く通りが何本もあるのがその象徴。頂妙寺は、それら新しく開かれた土地の先駆として、この地に広い敷地を持てたのでしょう。
頂妙寺の境内には立派なイチョウが何本もそびえています。特に本堂の前に二本並ぶイチョウの姿は印象的です。イチョウは水分を多く含む木で、西本願寺をはじめ各地の社寺に火災除けとして植えられていますが、頂妙寺にイチョウがあるのも、火災をきっかけとして移転をしてきたため。目を引くイチョウの木は仁王門の左手側にもそびえています。
頂妙寺は、例年イチョウの色付きが早い場所で11月10日前後には見頃になりますが、今年は色付きが遅く、24日の時点で散りが進みつつもまだ楽しめました。イチョウは12月にかけてこれから色付く場所も多くあり、楽しみです。
ガイドのご紹介
京都検定1級に4年連続最高得点で合格(第14回~第17回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。
京ごよみ手帳2022発売のお知らせ
吉村が監修した「京ごよみ手帳2022」が11月中旬に発売予定です。詳細はこちらからご覧下さい。
散策・講座のお知らせ
- 【過去の講座動画の販売を行っています!】
過去の講座動画の販売はこちらから。 - 【見逃し配信を受付中!】
- 京都の紅葉講座 2021年 吉村のおすすめスポットを解説!
- 【講座を受付中!】11月24日(水)・28日(日)
京都の名木 〜いにしえを知る木々をたどる〜 - 【講座を受付中!】11月26日(金)
- 京都の定番スポット徹底解説 三千院・寂光院 ほか
- 【受付中!】11月30日(火)13時30分~16時
紅葉が彩る特別公開の浄住寺と竹の寺・地蔵院へ - 【開催予定】12月1日(水)午後 → 行き先未定
- 【見逃し配信を受付中!】
史跡でたどる京都物語 〜歴史の面影をたずねて〜 - 【オンライン講座】NHK文化センター梅田教室で受付中!
京都の魅力を徹底解説!プロガイドが教える定番から穴場まで - NHK文化センター京都教室で受付中!
ガイドが教える 四季を感じる穴場の京都 - NHK文化センター神戸教室で受付中!
旬の京都を再発見!プロのガイドと歩く秋から冬の古都