京都の十日えびす 2022年

今年も東山の東山の恵美須神社(ゑびす神社)などで十日えびすが行われています。

恵美須神社

京都の新年は初詣、七草粥、そしてえべっさんと次々に行事が続いていきます。日本三大えびすのひとつにも数えられる東山の恵美須神社では、8日から12日にかけて商売繁盛を祈願する十日えびすが行われ、昼夜を問わずたくさんの参拝者で賑わい、縁起物の福笹が飛ぶように売れていきます。えびす神は、七福神の一人としても知られ、釣った魚を物々交換で米等と替えていた(すなわち交渉や商売が上手だった)とされることから、商売繁盛の神となっていきました。

恵美須神社

えびす神といった場合は、神話の中でイザナギとイザナミの子どもである蛭子(ひるこ)神を差す場合と、大黒様の子どもである事代主命(ことしろぬしのみこと)を表す場合とがあります。いずれも水と関わりがあり、えびす様は海の神として庶民からは篤い信仰を集め、手には釣り竿と鯛を持つ姿が定番となっています。1月10日はえびす様のお誕生日で、それを祝い、福にあやかろうというのが十日えびすです。

恵美須神社

福笹は、江戸時代に京都の恵美須神社が始めたものが全国に広まったといいます。笹は「お札(おふだ)」の替わりとして発明されました。笹は、常に青々として枝は真っすぐと伸び、しなやかさもあって簡単には折れません。そういったところが、長く続けることをよしとする商売繁盛のご利益に通じ、人気を集めました。なお、庶民派の神であるえびす様は、夜にお酒を飲んだ千鳥足で参拝に来ても、おおらかな心で迎えて下さるとされ、「商売繁盛で笹もってこい」の有名な文句も、そもそもは「酒もってこい」だったともいわれています。

恵美須神社

今年は恵美須神社の十日えびすは日程通り開催されていますが、舞妓さんによる福笹授与と本殿脇での参拝は中止となっています。それでも、昨年よりはずいぶんと人出は多くなり、福笹を求める人も絶えることはありませんでした。

八坂神社

また、八坂神社では9日・10日の二日間だけ、三社詣が行われています。境内の御本殿、大黒社、北向蛭子社の三社に参拝することで、それぞれのご利益を授かろうというもので、例年は宝舟が描かれた専用用紙に朱印を押して持ち帰ることができますが、今年は最後の北向蛭子社の脇のテントで各日限定500枚が300円で授与される形式に変わっています。こちらも人出が多く、午後には無くなっていましたので、お早めに訪れるとよいでしょう。

八坂神社 三社詣

また、粟田神社には「出世恵美須神社」があり、9日から11日にかけて、神像が公開されています。伝教大師(最澄)の作とされ、手に鯛と竿をもった笑顔の恵美須様の木像です。元は、三条蹴上に地名が残る夷谷に祀られていたとされ、義経が奥州へと向かう際には源氏再興を祈願したといわれています。

粟田神社 出世えびす祭

その後、500年ほど前に山崩れが発生して恵美須様も流されますが、なんとか止まった場所が三条神宮道に地名が残る夷町。明治まではその地にあったお寺に祀られていたそうですが、やがて粟田神社へと遷されました。一年間で三日間だけの公開ですので、是非一度ご覧になって頂きたい恵美須様です。社の前では珍しい子持ちの狛犬も見られます。粟田神社でも福笹の授与や、甘酒の無料接待も今年は行われています。今年は昨年以上に各地のえべっさんの行事が賑わいを見せていました。

粟田神社 出世えびす祭

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京都検定1級に4年連続最高得点で合格(第14回~第17回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。

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