清閑寺の雪景色

1月21日の京都の雪景色。豊国廟から清閑寺を訪れました。小督局ゆかりのお寺として知られます。

清閑寺

雪の豊国廟から下山し、清閑寺を目指しました。まずこのルートは土地勘や地図の無い方は十分にご注意ください。豊国廟は京都一周トレイルのコースではないため、 特に経路の案内板は無く、北へ向かうためには一旦”南へ下りる”という経路もややこしいため、慣れていないと道に迷ったり道なき道へ入ってしまう恐れがあります。また、雪の積もる日は当然に足下は悪く、危険を伴います。その意味でも雪の日には推奨はしないルートです。

清閑寺

さて、清閑寺は高倉天皇に愛された小督局(こごうのつぼね)ゆかりのお寺としても知られます。小督局は高倉天皇の中宮・平徳子に仕えた女官で、宮中一の美女としても有名でした。あるとき高倉天皇が恋した女性が亡くなり、傷心に沈んでいるのを見かねて、徳子は小督局を天皇にさしだします。小督局はすぐに天皇に愛されますが、清盛からすれば自らの娘である徳子との間の皇子の誕生を願っていたためにその怒りを恐れ、小督局は嵯峨野に隠棲することになります。

清閑寺

しかし小督局を忘れられない高倉天皇は、嵯峨野に小督局を探させ、使者は聞こえてきた箏の音色で見事に居場所を付きとめるというロマンチックな話も残されています。こうしてよりを戻した天皇と小督局。やがて二人の間に皇女が誕生するものの、ついには清盛の逆鱗に触れて小督局は出家させられてしまうのです。

高倉天皇陵

失意の高倉天皇(上皇)は2年後に亡くなり、小督局はその菩提を弔って余生を過ごしたといわれます。 高倉上皇は「私が亡くなったら小督のいる清閑寺に葬ってくれ」と遺言したとされ、その通り清閑寺の脇には高倉天皇陵があり、さらにその中には小督局の墓とされる塔も残されているそうです(非公開)。清閑寺の境内には小督局の供養塔が残されており、平家物語を偲ぶ方が静かに訪れる境内となっています。

小督局の供養塔

清閑寺の境内からはちょうど扇の要(かなめ)のように景色が見える要石があり、独特の京都の眺めを楽しむことができます。この要石に願いごとをすると叶うといわれており「願いあらば 歩みを運べ 清閑寺 庭に誓いの 要石あり」の歌も残されています。機会がありましたら、訪れてみて下さい。

清閑寺からの眺め

ガイドのご紹介

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京都検定1級に4年連続最高得点で合格(第14回~第17回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。

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