2月3日の深夜に、吉田神社で火炉祭(かろさい)が行われました。
吉田神社の火炉祭(かろさい)は、京都の節分を代表する行事として知られ、直径も高さも5mといわれるほどの巨大な火床に古い縁起物やお札(ふだ)を納め、火を付けて燃やすことで、古札に宿る神々にお帰りいただくという行事。室町時代から続く神事だといいます。例年節分の深夜に行われ、その炎が春を呼び、参拝者には無病息災をもたらして新春の幸運を授けるといわれています。京都の各地でお火焚き祭や古札燃納は行われますが、吉田神社の火炉祭はその中でも最大といえるものです。
2021年は新型コロナウイルスの影響で残念ながら中止となり、2022年は2年ぶりの開催。開始の時間は例年23時からですが、今年は非公開となっていたため、このブログでも詳しい時間を書くのは控えますが、例年とはさほど変わらない点火時間ではありました。神事の後、四方から点火されると、火は瞬く間に夜空を焦がし、参拝者の冷えた体も温めてくれます。火床を囲っているのは竹で、燃え広がるとパチパチと音を立て、自然に崩れて行きました。
火炉祭の見どころの一つは消防士の活躍です。やはりこれだけ大きな炎となると、火床が崩れたり火の勢いが強くなりすぎる恐れがあるため、適宜水をまいて熱や火の勢いをコントロールしていきます。風の強い年は気を遣うことでしょう。今年も大きな炎が燃え上がり、京都に春の訪れを告げてくれました。火炉祭の様子は動画もありますのでご覧ください。
ガイドのご紹介
京都検定1級に5年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。