仁和寺の御室桜が散り始めていますが、新緑も綺麗です。目先はライトアップも行われています。

京都の桜を締めくくるといわれるのが、仁和寺の御室桜です(実際にはもっと遅い八重桜があります)。御室桜は、仁和寺境内にある桜の総称で、特定の種類ではありませんが、境内の中門を入って左側に広がる桜苑は「御室有明」という特殊な種類で埋まり、この桜が一般的には御室桜と呼ばれています。この御室有明は、背が高くならないのが特徴。桜の下に粘土質の土壌があり土中に酸素や栄養分が少なく、桜が根をのばせない要因のひとつにはなっているそうです。

仁和寺の桜は、江戸時代から吉野の桜に優るとも劣らないと人気を博し「わたしゃお多福 御室の桜 はなが低くても 人が好く」と歌われました。「はな(花・鼻)」が掛け言葉になっています。満開の桜は、まさに桜の雲海と呼ぶにふさわしく、その雲の中を泳ぐように散策し、ひょっこりと顔を出す五重塔を探すのも楽しいでしょう。

また見頃は短く、例年満開の時期は2日~5日程度しかありません。散り始めるとあっという間に散ってしまうこともある難しい桜。今年は12日の段階ですでにかなり散りが進んでおり、目にしたい方は今すぐにでも足を運ぶとよいでしょう。ライトアップは12日~17日の予定。ただ、14日までは行われるそうですが、開花状況により15日以降は開催中止になるかもしれませんのでご注意ください。

境内の金堂は御所から移築された最古の紫宸殿の遺構で国宝に指定されています。檜皮葺から瓦屋根には変わっていますが、周りの蔀戸や高欄などに御所の面影を感じることができます。

現在は金堂前の新緑が大変美しく照らされており、桜が散ってもこちらを見るだけでも十分に価値があります。仁和寺が手掛ける御室桜のライトアップは今回が初年度とのことで(貸し切り企画では以前にもあり)、もろもろご苦労もありながらも今後も工夫を凝らしてライトアップを改善して行かれるそうです。

写真を撮りやすいライティングを頑張っておられますので、ぜひ美しい写真を収めてみて下さい。三脚も使用可能です。なお、青もみじのライトアップも5月27日~7月24日の金土日祝で行われる予定です(大人1000円、次世代への文化支援として高校生以下は無料)。

ガイドのご紹介

京都検定1級に5年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。
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