16日夜に五山送り火が灯されました。お盆の間に戻ってきた先祖の霊を送る行事です。3年ぶりに完全な形での点灯となりました。

お盆の締めくくりに行われる五山送り火。正確には観光行事ではなく、お盆にお迎えをしたご先祖様の霊「お精霊(しょらい、しょうらい)さん」が迷わず冥界へと戻れるようにと夜空に灯す祈りの炎です。庶民の信仰心から生まれ、長年受け継がれてきた京都の大切な伝統行事です。五山の中でも最初に炎が灯されるのが東山の「大」で、20時の点火のあと、5分おきに「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」と、各火床が灯っていきます。それぞれの送り火は、その炎が灯る山麓の集落の人々によって維持されています。

2020年・2021年は、点火する人々や見に来られる方々への新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、「大」の文字は中央と文字の先端のみの計6点の点火となりました。「妙法」「船形」「左大文字」は1点のみ、「鳥居形」は2点の点火となりました。今年は3年ぶりに完全な形で灯されると言うことで話題になりました。

今年は、私はご案内で某お寺へ行かせて頂きましたが、東山の大文字、船形、左大文字と目にすることが出来ました。ご案内をさせていただきつつ、亡き家族を思い、手を合わせて参りました。残念ながらカメラにメモリーカードを入れ忘れてしまい、私が撮影した写真はありませんが、その代わり特派員に撮影していただいた左大文字の写真を掲載します(昼の写真は吉村撮影)。

今年は点火前の19時台に強い雨が降り、20時頃に止んだものの、東山の大文字は点火が10分遅れ、妙法も20時13分の点火となりました。船形(20時10分)・左大文字(20時15分)・鳥居形(20時20分)は予定通りの点火でしたが、左大文字が点火のためのスタンバイで「大」の配置に並ぶのが例年よりも早かったため、真っ先に左大文字が点灯したかのように見えていました。特に離れて眺めている方は左大文字が最初に灯ったと感じた方も多かったでしょう(私も勘違いしました)。

点火時間が遅れるハプニングはありましたが、3年ぶりに美しい送り火を目にすることができ、各保存会の関係者の皆様をはじめ、ご尽力いただいた皆様に心から感謝いたします。大雨の中で待機をされた皆様もお疲れ様でした。なお、例年翌17日は消し炭拾いで左大文字や法へ登ることが出来ましたが、今年から禁止となっていました。
ガイドのご紹介

京都検定1級に5年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。
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