八幡市にある円福寺では恒例の萬人講が10月20日に行われました。
八幡市の南、大阪府もほど近い場所に建つのが臨済宗の円福寺です。宗派を問わず禅の修行ができる道場として、江戸時代の天明年間に創建されました。京都検定のテキストにも載っていますが、今でも通常非公開の修行道場で拝観は行っておりません。境内に祀られる達磨大師像が日本三達磨のひとつというのが京都検定的な覚えどころ。毎年4月20日と10月20日に行われる萬人講で公開されます。
萬人講の日は広く境内が一般に公開され、多くの人が訪れます。アクセスは京阪の樟葉駅からシャトルバスがこの日に限り運行されるほか、今回は駐車場がありました。ただ、できるだけバスを使う方がよいでしょう。近隣の方は自転車でも来られていました。石清水八幡宮駅前からレンタサイクルでも来られる距離かとは思います。
円福寺のすぐ近くには国道1号が通り交通量が多いのですが、境内はとても静かで木々に囲まれた別世界です。境内で達磨像に参拝させていただき、1000円で「一願成就 だるま祈祷」をしていただくこともできます。
この日に特別にご開帳される達磨大師坐像(重要文化財)は、円福寺に奉安されるまでに何度も各地で災火をくぐり抜けて来られたそうで、「七転八起」「厄災消除」のシンボルとして古くから多くの信仰を集めています。例年は、お斎(おとき:食事)を境内でいただけ、祈祷とセットで2000円ですが、コロナ禍のため希望者に1000円での持ち帰りのお弁当となっていました。
達磨像を拝める本堂では、清水寺の森清範貫首の法話があり、大変面白く聞かせていただきました。毎日書の修練も欠かさないという森氏ですが(12月の”今年の漢字”も森氏の書です)、今回は午前と午後の法和で「和」「経」の文字を書かれました。森氏もこの円福寺で2年間修行をされたご縁で今回は法和にお越しになったそうです。円福寺では先日お亡くなりになった稲盛和夫氏も修行をされ、本堂および庫裏の改築にご寄進されています。
さて、境内は思っていたよりも奥深く、現役の修行道場としての雰囲気も感じることが出来ました。この日は天気もよく、緑に囲まれた美しい庭園を目にすることも出来ました。萬人講は4月20日にも行われていますので、機会がありましたら足を延ばしてみて下さい。なお、以前にブログでご紹介をしたことがありますが、円福寺は12月下旬に「大根干し」というユニークな行事を行っています。
ガイドのご紹介
京都検定1級に5年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。
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