伏見区にある三栖神社は大イチョウがそびえる神社です。
三栖神社は伏見の南西部にある神社で、詳しい創建時期は不明ですが、祭神に天武天皇をお祀りしています。天武天皇が672年の壬申の乱の折りに三栖付近を通った際、村人は炬火(たいまつ)を灯して夜道を照らしたとされ、10月第2日曜日には炬火祭(たいまつまつり)が行われています。炬火祭は、長さ5m-6m、直径1.2m、重さ0.8~1トンともいわれる巨大な松明に火を灯す勇壮な火祭りで、三栖の周辺は宇治川や巨椋池、横大路の沼などがある湿地帯で、葦(よし)が多く育成をしていたため、大松明も葦で作られているのが特徴。以前、ブログでもご紹介をしました。
三栖神社へは、京阪の中書島駅が最寄り。駅から西へと進んでいくと、まず三栖神社の御旅所(金井戸神社)があります。鳥居の額には「三栖神社」と書かれていますが、この境内には大イチョウはありません。三栖神社の本社は、さらに道を西へと進んだ場所にあります。道の先に、遠くからでもイチョウがそびえる様子が見えてきますので、目印にしてください。
ただ、神社へと向かうには、阪神高速の高架もある油小路通を横切る必要があるため、東高瀬川の橋を渡ってからいったん南の外環状道へと歩き、下三栖の交差点で信号を渡る経路が分かりやすいでしょう。地図をよく見ながら向かってください。さて、神社に着くと、立派なイチョウに圧倒されます。境内は「伏見の落ち葉神社」と呼べるほど、散ったイチョウの葉が覆って美しく、見ごたえがあります。
イチョウは特に本殿に向かって右手側の木が立派で、幹が根元から4本に分かれ、そこからさらに枝分かれをしながら天へと伸びています。木そのものからもパワーを感じました。私が訪れた日は、地元の方と思しき方が何人か携帯で写真を撮っておられました。地元にも愛されている大イチョウなのだと思います。2018年の台風で枝が折れるなどの被害が出ましたが、だいぶ戻ってきたように感じます。まだしばらくイチョウと落ち葉を楽しめそうです。
ガイドのご紹介
京都検定1級に5年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。
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