下鴨神社 流し雛 2023年

3月3日に、4年ぶりに下鴨神社流し雛が行われました。

下鴨神社 流し雛

3月3日はひな祭りで、京都各地で行事が行われました。京都の流し雛では下鴨神社が最も有名で、多くの人で賑わいます。今年は4年ぶりの開催となり、内容も例年通りでした。下鴨神社の流し雛は「さんたわら(桟俵)」と呼ばれる籠に乗せた夫婦雛を御手洗(みたらし)川に流し、子供たちの無病息災を祈る神事です。

下鴨神社 流し雛

本来、雛人形や人形(ひとがた)は子どもたちの厄を代わりに受けてくれるとされ、そうした人形などを川に流すことで厄払いになると信じられてきました。水は穢れを洗い流すもので、特に下鴨神社の御手洗川は、葵祭の斎王代の禊(みそぎ)や、足浸け神事でも知られるように、穢れを払う川として古くから信仰を集めています。なお、雛段に飾られる雛は衣装などもきらびやかで、凝った細工が施されていますが、流し雛は簡素なものが用いられています。

下鴨神社 流し雛

下鴨神社では、人間のお内裏様(男雛)とお雛様(女雛)も登場します。例年、新婚のご夫婦が選ばれて仲睦まじい様子が印象的です。お雛様は十二単(じゅうにひとえ)の着付けも公開され、丁寧な解説と合わせて煌びやかな様子が人気を集めています。着付けは10時半からですが、直前ではよい場所で見るのが難しく、数十分前にはいて下さい。着付けが終わると、11時頃からお雛様や関係者による神事や「流し雛の儀」が御手洗川で行われますが、川の周りもかなり早い時間から混雑しますので、着付けと雛流しの神事の両方を見るのは非常に難しいです。よい場所で見ようと思えば、少なくとも9時半には御手洗池にいないと難しいでしょう。11時までは1時間半待ちです。

下鴨神社 流し雛

準備が整うと御手洗川に面した場所にお雛様らが登場してきます。そして今年も例年通り京都タワーのマスコット「たわわちゃん」も来ていました。たわわちゃんは女の子ですので、美しい着物姿です。流し雛の神事は粛々と行われ、いよいよ「流し雛の儀」が行われます。お雛様とお内裏様は、二人揃って川の傍に下り、一緒に雛を流していかれました。

下鴨神社 流し雛

その後、着物姿の宮川町の芸舞妓さんもお二人で雛を流していきます。たわわちゃんは下鴨神社の行事にはよく登場しますが、舞妓さんにあこがれる女の子ですので、この行事は嬉しいことでしょう。また、カメラマンが多い理由のひとつもこの舞妓さんにあるのだと思います。この行事には近くの園児たちも来ていて、可愛らしく雛を流していきました。たわわちゃんも、問題なく階段を下りて雛を流しました。

下鴨神社 流し雛

流し雛の儀が終わると、園児たちによる「うれしいひなまつり」などの歌の披露があります。元気よく一生懸命に歌う様子はとても微笑ましく、親御さんたちも見に来られていました。下鴨神社は多くの観光客が訪れる場所である一方で、こうした地元の神社としての一面も持っているのです。現在のひな祭りは女の子の行事というイメージがありますが、その昔は男女問わず、子どもの無病息災を願う行事でした。皆、元気で健康でこの1年も成長して行ってほしいですね。

下鴨神社 流し雛

神事が終わると、一般の方の流し雛が行われます。一般向けには「さんたわら」のは有料(大1500円、小1000円)で手に入れることもできますが、例年は早い時間になくなります。今年は4年ぶりで参加者が少なかったようで、最後まで残っていました。また、以前のものを流してもよいですし、今年手にしたものを流してもよいそうです。一般の流し雛が始まると、混雑となりますのでご注意ください。

下鴨神社 流し雛

雛を流すだけでしたら12時過ぎに来ても十分です。なお、流された雛は、最後にちゃんと回収されていました。下鴨神社の流し雛は、神事も見るのか、流し雛だけでよいのか、目的を絞って計画的に訪れるとよいでしょう。混雑も激しいですので、時間と心に余裕を持ってお出かけ下さい。

下鴨神社 流し雛

ガイドのご紹介

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京都検定1級に6年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。

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