睡蓮が彩る大原野神社

洛西の大原野神社を訪れました。鯉沢池には睡蓮が美しく咲いています。

大原野神社は、延暦3（784）年、長岡京遷都に際し、藤原氏の氏神である奈良春日大社の分霊を祀ったのを起源とする神社です。猿沢池を模した「鯉沢池（こいさわのいけ）」があり、社殿の作りも春日大社本殿とほぼ同じ、もちろん神の使いも鹿と、さすがによく似ています。現在は紅葉の名所として有名で、夏には睡蓮、春には珍しい千眼桜も咲きます。

鯉沢池には赤いアーチ状の橋がかかり、どことなくモネの絵画「睡蓮」に似た風景。境内は静かで、参道にも時間帯によってはあまり人は見かけません、睡蓮の隠れスポットでゆっくりと散策ができますので、お車のある方は足を延ばしてみてください。こちらの睡蓮は午後にはどんどん花が閉じてくるため、昼過ぎまでに訪れるのがおすすめです。

今年は大河ドラマに関連して大原野神社もPRされています。紫式部が越前滞在中に日野山に降る雪を眺めて都の小塩山を重ね合わせる和歌「ここにかく日野の杉むらうずむ雪小塩の松に今日やまがへる」の歌は大河ドラマにも登場しました。小塩山は神社の入り口の鳥居前から望むことができます。

近隣では石の寺・正法寺、春の桜が美しい花の寺・勝持寺、美物の国宝の菩薩半跏像で知られる宝菩提院願徳寺といった寺院も拝観ができ、いずれも貴重な仏像を拝せます。時間を取ってじっくりと訪れてみて下さい。

ガイドのご紹介　吉村晋弥

京都検定1級に7年連続の最高得点で合格（第14回合格率2.2％）、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都（BS11）「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。