8月9日に、京都府京丹後市の久美浜で千日会観光祭があり、大文字と灯籠と花火の競演が見られました。
京都府北部で最西端エリアにある久美浜。個人的にも大好きな場所で年に何度か訪れています。久美浜では毎年8月9日に「千日会観光祭」があり、兜山(かぶとやま)に大文字が灯り、久美浜湾には灯籠が浮かべられ、さらに花火も打ちあがります。詳細のポスターはこちらに掲載されています。
行事の場所は久美浜湾の南にある浜公園付近で、広い駐車場もあります。灯籠は約3000基が流されるそう。花火は浜公園の至近で打ちあがるため、写真を撮られる方はある程度離れた場所を選ばれるとよいでしょう。
久美浜の「千日会」は、如意寺(にょいじ)の本尊・十一面観世音菩薩の千日詣りの一環で、この日にお参りをすると千日間参詣したのと同等のご利益があるとされます。京都市街地では清水寺のものがよく知られているでしょう。
久美浜の行事は古くは代官所が置かれた江戸時代には行われていたとされ、水天流しと呼ばれる盆供養のロウソクを灯して湾内に流すもので、灯籠流しとも呼ばれて現在に受け継がれています。これらの行事は久美浜湾で亡くなった水死者の霊を弔う意味もあるそうです。
さて、行事は19時半から灯籠流し、大文字の点灯、花火大会が一斉に始まります。灯籠は久美浜の方々だけでなく、一般の方も500円で流すことができます。私も家族で1つ流させていただきました。なお、灯籠はロウソクが燃え尽きると水に溶けるそうです。大文字は炎ではなく電気のようで、書き順の順番でバッと灯っていきました。
千日会観光祭を訪れるのは3回目。過去の2回は灯籠が風によって沖のほうへとどんどん姿を消していってしまいましたが、今年は風が弱く、最初のうちはあまり岸から離れていきませんでした。ただ、しばらくすると湾の奥へと流れ始め、例年のように湾へと広がっていきました。
花火は20時20分頃まで打ちあがり、迫力ある花火と、水面に浮かび幽玄な姿を見せる灯籠の競演を楽しませていただきました。そして花火が終わっても穏やかな海に浮かんで離れていく灯籠の眺めが幻想的でした。今回は高台から花火・大文字・灯籠を同時に眺めることができました。遠方ではありますが、機会がありましたら訪れてみてください。
ガイドのご紹介 吉村 晋弥
京都検定1級に7年連続の最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。
散策・講座のお知らせ
【散策を受付中!】
9月6日(金)13時30分~16時頃
「京の夏の旅」特別公開へ!祇園閣がそびえる大雲院と御成の間が公開される長楽館
9月13日(金)13時30分~16時頃
萩の花がほころぶ常林寺と旧三井家下鴨別邸へ
【散策を受付予定!】
10月3日(木)午後 → 行先未定
【8月の講座 見逃し配信受付中!】
京都 紫式部ゆかりの地と気象の視点から考える「春はあけぼの」
「過去の講座動画」の販売はこちらのリンクから!
- 【まいまい京都で受付中!】
9月8日(日)14時~16時30分頃
【東山】地震・雷・火事・オヤジ!?気象予報士と歩く京都の災害史
9月14日(土)14時~16時30分頃
【紫野】「源氏物語」に描かれた王朝絵巻の舞台へ、紫式部はじまりと終わりの地
9月21日(土)9時30分~12時頃
【上京】尊陽院「祈りの天井画」拝見!極彩の世界を幻の蝶が舞う
9月22日(日)9時30分~12時頃
【萩まつり】秋を告げる梨木神社の萩まつり、志士たちが駆けた幕末の御所東へ
9月22日(日)14時~16時30分頃
【中京】京都まちなか隠れ珍スポット10連発☆碁盤の目ジグザグ探検ツアー
9月28日(土)9時~12時頃
【羅城門】平安京・呪術バトル勃発!都の表玄関にそびえ立った東寺・西寺・羅城門
9月29日(日)8時50分~12時頃
【洛西】吉村のベスト竹林!若竹鮮やかな「竹の春」竹の回遊式庭園へ
【オンラインサロン】吉村晋弥のマニアック京都サロン を募集中!
「まいまい京都」さんで『【オンラインサロン】吉村晋弥のマニアック京都サロン』を募集中。毎月第2水曜日20:00~21:30頃の配信と吉村のコースの抽選が当たりやすくなります。詳細はリンク先をご覧下さいませ。