新京極商店街の「ふごおろし」

24日・25日は京都の各町内で地蔵盆が行われました。今年は新京極商店街のふごおろし(畚下ろし・畚降ろし)を見ることができました。

新京極商店街 ふごおろし

8月24日はお地蔵さんの縁日。ともなって24日に近い土日(2024年は24日・25日)に京都では地蔵盆が行われ、町内ごとに数珠回しや福引など様々催しを行って、町内の結束を高めます。京都は通りが変われば町名が変わるため、そこかしこで地蔵盆が行われ、町内によっては道路も通行止めにさえなり、初めて京都の地蔵盆を見て面食らう方も多いことでしょう。

新京極夏まつり

お地蔵さんは子どもたちを守って下さる仏様とされ、現代の地蔵盆は基本的に子どもたちのお祭りです。たくさんのお菓子をもらえ、福引ではおもちゃも当たります。お菓子や行事の時間には、子どもたちが鐘をたたいて町内に知らせます。水風船釣りや輪投げ、ビンゴにスイカ割り、缶を並べてボーリングのように遊ぶ町内もあります。

新京極商店街 ふごおろし

京都では明治の初めに廃仏毀釈で地蔵が撤去され、地蔵盆も禁止になった時期がありました。そこから復活してきた現在の地蔵盆。町内の盛り上がりを見ていると、やはり楽しいものには規制はきかないのだと感じます。大人たちにとっても大切な交流の場でもあり、町内の人々のつながりはこうしたお祭りを通して保たれて行きます。なお「京都をつなぐ無形文化遺産」にも「京の地蔵盆」として選ばれています。

新京極商店街 ふごおろし

今年は新京極商店街で、福引の景品渡しの際に行われる「ふごおろし(畚おろし)」を目にすることができました。「ふご」とはカゴのことで、これに2階などの高い場所から景品を乗せて下ろします。上から景品が下りてくるというのは面白い演出。わくわく感も高まります。

新京極夏まつり

昔は各地で見られたそうですが、現在では行われている町内は非常に少なくなっています。天気が悪いと中止されることもあり、ずっと続けておられる町内は「幻」といえる行事でしょう。一方で、近年は「ふごおろし」を復活させようという動きもあり、新京極商店街の福引での「ふごおろし」は、新京極夏祭りの一環で3年前から行われています。「ふごおろし」は昨年の京都検定1級の問題でも出題されました。

新京極商店街 ふごおろし

いずれにしても、目にできる機会は限られている「ふごおろし」。新京極商店街では24日・25日に商店街で買い物をすると福引券がいただけ、六角通の「ろっくんプラザ(新京極六角公園)」でガラガラポン形式で福引を行い、3等から上が「ふごおろし」になります。

新京極商店街 ふごおろし

仮設の櫓を設けてその上から降ろす形式で、道行く人も珍しそうに眺めていました。3等から上はなかなか出ませんので、今回目にすることができてラッキーでした。「ふごおろし」は好評のようで、新京極商店街の恒例行事となりつつあるようです。来年以降も行われることを期待しつつ、ぜひ地蔵盆の時期の新京極商店街にも訪れてみてください。

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に7年連続の最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。

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