9月に入っても異常な猛暑に警戒を

9月に入っても厳しい暑さの日が続いており、この先も35℃を超える猛暑に警戒が必要です。統計を見ると異常さがわかります。

まずはご報告から。今年開催した京都の災害についてお話しする散策で、皆様から頂戴した金額に私からも加えまして、計8万5千円を災害義援金として寄附させていただきました。ご参加ありがとうございました。被災された地域の一日でも早い復興を心から願っております。こうした災害のお話をする散策は、2011年の起業当初から開催しておりますが、今年はお正月の能登半島地震もあり、参加者が増えた印象です。6月にMBS放送で取材を受けたWeb記事が配信されております（映像には映っておりません）。まずは、過去にどういった災害が起きているかを知っていただくことが、減災の第一歩かと思います。また京都の災害についてお話をする散策も開催をさせていただきます。

今年も残暑が大変厳しくなっています。9月9日は36.0℃まで上がり、4日続けて35℃を超える猛暑日となりました。10日は雲が多かったこともあり35℃を下回りましたが、11日は再び35℃を超える猛暑日となっています。今年の猛暑日日数は9月11日までで46日に達し、これまでの記録だった昨年の43日を上回り、この先50日を超えそうな勢いです。正直なところ、少し前では信じがたいほどの異常な数字を記録しています。

今年はすでに2月から暑い夏となりそうだとの予報が出ていましたが、予報通りの厳しい暑さとなりました。気象庁が9月初めに発表した6月～8月の3か月間の「夏の天候」では、『1946年の統計開始以降、夏として西日本と沖縄・奄美では1位、東日本では1位タイの高温となった』とのこと。「全国のアメダス地点で観測された猛暑日の地点数の積算」は9000か所に迫り、2010年以降では断トツの数に上っています。今年は全国的に猛暑が続きました。統計の詳細はこちらの気象庁のホームページでご確認ください。

京都では夏（6月～8月）の期間の猛暑日が40日に達しており、1991年～2020年の30年間の平年値（18.5日）よりは21.5日多い結果となりました。平年の倍を超えるという異常な数値で、今年の夏の厳しい暑さが明確に統計のうえでも確認できます。なお2023年の夏の猛暑日も38日と多かったですが、近年では2022年は24日、2021年は18日、2020年は24日で、昨年と今年の多さが際立っています。

9月に入ってもまだ猛暑日が増えているのが、今年の暑さの恐ろしいところ。9月11日までの6日間が猛暑日です。2023年は9月全体で5日間、2022年は1日間のみ、2021年は9月の猛暑日はなく、2020年は2日間、2019年は4日間、2018年は9月の猛暑日なしという統計。それ以前では2010年に9月全体で6日間の猛暑日が観測されていました。1991年～2020年の30年間の平年値では9月の猛暑日は0.9日となっており、9月に1日間あるかどうかというレベル。それが今年はすでに6日間も観測されているのです。

9月11日11時に京都地方気象台が発表した週間天気予報を見ても、9月12日～18日までの週間予報範囲全ての予想最高気温が35℃～36℃の予報となっています。この先も猛暑日が増える公算は高く、今年は非常に厳しい残暑となっています。向こう一週間の最高気温の平年値は29.5℃にも関わらず、未だ猛暑日が続きそうというのは異常な高温と言えるでしょう。引き続き、日中を中心に熱中症に十分に警戒をしてください。

ガイドのご紹介　吉村晋弥

京都検定1級に7年連続の最高得点で合格（第14回合格率2.2％）、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都（BS11）「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。