無鄰菴の風景

東山の無鄰菴を訪れました。

無鄰菴

無鄰菴は明治27年から29年にかけて、明治・大正期に活躍した山県有朋の別荘として造営されました。東山を借景として、当時開通したばかりの琵琶湖疏水の水を取り入れ、三段の滝や池、洋風に芝生も配された池泉回遊式庭園です。

無鄰菴

建物も木造の母屋と茶室に加え、洋館があります。明治36年に山県有朋・伊藤博文・桂太郎・小村寿太郎らがここに集まって、日露戦争開戦直前の外交方針を決める「無鄰菴会議」が行われました。洋館には狩野派の見事な障壁画の部屋もあり、和様が合わさった明治の雰囲気を感じることが出来ます。

無鄰菴

庭は各位置から異なった印象で楽しむことが出来ますが、私のお勧めは母屋に上がってゆったりと眺めることです。額縁のように景色を切り取ってみると歩いた時とは異なった印象を受けることでしょう。無鄰菴は南禅寺や平安神宮のほど近くにありながら、比較的穴場として静かな時を過ごせる場所。木々や水の流れが心を癒してくれます。

無鄰菴

現在、無鄰菴の公開は1時間ごとの人数制限となっており、ホームページからの事前予約が推奨ですが、事前決済が必要であったり、予約時間を過ぎての入場ができないという制約があります。一方で、確実にその時間に行けるかわからないという方は、行ける時間に受付に行っていただくと、予約枠に空きがあれば入れていただけます。今回も予約なしで入ることができました。

無鄰菴

また、カフェサービスも行われており、母屋で庭園を見ながら頂くことができます。庭園の見方に付いて詳しく知りたい方は、10分の無料ガイドがおすすめです。庭園を管理している、植弥加藤造園さんの解説で、無鄰菴庭園の見どころを簡潔に説明していただけます。時間は30分おきのようですが、時間が許す方はぜひお聞きください。

無鄰菴

これからの紅葉シーズンもおすすめな無鄰菴。紅葉シーズンは先述のとおり、事前予約が推奨ですが、水が流れ、東山を望め、折々の風景を楽しめる洗練された空間だと思いますので、機会がありましたら、訪れてみてください。

無鄰菴

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に7年連続の最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。

散策・講座のお知らせ

【散策を受付中!】
10月3日(木)13時30分~16時頃
北野天満宮の「ずいき祭」穀物で飾られた珍しい神輿と西ノ京歩き

【散策を受付予定!】
10月10日(木)午後 → 行先未定
10月16日(水)午後 → 行先未定

【10月から「丹後七姫講座」を開催!】 ※原則第2金曜日19時30分~
【丹後七姫講座】丹後の歴史を彩る女性たちの物語

【9月~の講座を受付開始!】
奥深い京都へのいざない!マニアック京都講座
9月「八瀬の里と赦免地踊り」、10月「嵯峨野の社寺(宝筐院、厭離庵など)」、12月「松ヶ崎と妙法の送り火」

「過去の講座動画」の販売はこちらのリンクから!
【オンラインサロン】吉村晋弥のマニアック京都サロン を募集中!

「まいまい京都」さんで『【オンラインサロン】吉村晋弥のマニアック京都サロン』を募集中。毎月第2水曜日20:00~21:30頃の配信と吉村のコースの抽選が当たりやすくなります。詳細はリンク先をご覧下さいませ。

PAGE TOP