石仏巡りと浄瑠璃寺

岩船寺から石仏巡り浄瑠璃寺も訪れました。

浄瑠璃寺

岩船寺から当尾(とうの)の石仏巡りの道を経て浄瑠璃寺に行くコースはおすすめです。人気の「笑い仏」など、いくつかの石仏と出会う道は下り坂。一部急な部分もありますが、基本的にはのどかな風景を楽しめる道が続くため、都会の喧騒とは別世界を感じられることでしょう。応時には人々が行きかったことを思いながら歩くことができます。笑い仏は鎌倉時代の石仏とは思えないほど状態がよく、優しい表情を見せています。

笑い仏(石仏巡り)

浄瑠璃寺の創建には不明な点が多いですが、平安時代末期に末法思想が流行った時期に建てられたと考えられています。国宝の阿弥陀堂は、当時多数建てられた九体阿弥陀堂の唯一の遺構で、堂内には人が極楽往生に至る9つの段階に応じた9体の阿弥陀如来像が、今も金色の輝きで残されています。約900年前の仏様が、恐らく当時と変わらぬ並びで目の前に残っているという歴史の深さ。もちろん建物も阿弥陀仏も国宝です。

カラスの壺二尊(石仏巡り)

9体(躯)の阿弥陀仏は2018年から順次修復に入っていましたが2023年に終了し、博物館での展示を経て、年末にお寺に戻っています。2024年からは再び9体(躯)の阿弥陀仏を目にすることができます。

浄瑠璃寺

庭園は浄土思想を取り入れており、西に阿弥陀堂、東に薬師如来を祀る朱色の美しい三重塔があります。もともと寺の創建時の本尊は薬師如来と考えられており、薬師如来の浄土である薬師瑠璃光浄土から、寺は浄瑠璃寺と呼ばれました。薬師如来は、病といった現世の苦しみを除き、阿弥陀如来は来世で極楽浄土に導いて下さる仏様。当時の人々の信仰が目に見える形で現れたお寺といえるでしょう。ちなみに三重塔は平安時代の末期に一条大宮から移築された国宝の塔。大変貴重な平安時代の建築物です。

浄瑠璃寺

浄瑠璃寺の庭園は実は全国でもたった36カ所しかない「特別名勝」に指定されている貴重なお庭。境内で有料なのは阿弥陀堂の拝観のみで、お庭は自由に歩かせていただくことができます。風景が殊のほか美しいという特別名勝のお庭の眺め。往時は、阿弥陀堂の扉が開き、池に映る阿弥陀様のお姿に手を合わせていました。この日は雨が降って白く煙り、境内がより幻想的に見えました。周囲も暗く、金色の阿弥陀如来像が暗がりの中で浮かび上がる様子が大変印象的でした。

浄瑠璃寺

また境内は、近年は猫の数が増えて「猫寺」と呼べるほどにもなっていますが、今はその数は落ち着いているようです。浄瑠璃寺へは、JR加茂駅からのコミュニティバスのほか、奈良方面との臨時便は春季・秋季の各土日祝のみの運行となっています。2024年秋のバスの詳細はこちらから確認いただけます。この時期はコスモスや酔芙蓉が咲いて綺麗です。

浄瑠璃寺

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に7年連続の最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。

散策・講座のお知らせ

【散策を受付中!】
10月31日(木)13時30分~16時頃
国宝となった美しき六観音像!特別公開の千本釈迦堂、般舟院陵から釘抜地蔵へ
11月1日(金)13時~16時頃
非公開文化財特別公開!花山天皇ゆかりの元慶寺から初公開の阿弥陀寺へ
【散策を受付予定!】
11月19日(火)午後 → 行き先未定

【紅葉講座を開催!】
11月10日(日)18時30分~20時30分頃
京都の紅葉講座 2024年 吉村のおすすめスポットを解説!

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【丹後七姫講座】丹後の歴史を彩る女性たちの物語

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奥深い京都へのいざない!マニアック京都講座
10月「嵯峨野の社寺(宝筐院、厭離庵など)」、12月「松ヶ崎と妙法の送り火」

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