亀岡祭の山鉾

24日に、亀岡祭の山鉾を少し見ることができました。25日には巡行が行われます。

亀岡祭 八幡山

亀岡祭は亀岡市で行われている秋祭りで「口丹波の祇園祭」とも呼ばれるように、京都の祇園祭さながらに11基の山鉾が出て駒形提灯が灯り、祇園囃子が響くお祭りです。

亀岡祭 武内山

山鉾が出るようになったのは江戸時代のことで、京都の祇園祭の影響を多分に受けて来たため共通する部分が多くあります。明確に違うのは、祭りの時期が亀岡祭の場合は10月下旬と寒い時期に行われるということ。特に23日の宵々山や24日の宵宮(宵山)へは、暖かい服装でお出かけください。

亀岡祭 武内山(武内宿禰)

亀岡祭は鍬山神社の祭礼で、亀岡盆地を鍬で切り開いたという鍬山大明神=大己貴命(オオナムチノミコト)をモチーフにした鍬山、同じく鍬山神社に祀られる八幡神をモチーフにした八幡山など、11基の山鉾が亀岡の城下町に並びます。

亀岡祭 武内山

大己貴(オオナムチ)は、因幡の白ウサギ伝説もあって神の遣いはウサギとされ、一方の八幡神の神の遣いは鳩とされているため、亀岡祭の提灯や神輿などにはウサギと鳩の図柄が描かれています。形原神社に安置されているお神輿にも、それぞれの図柄が描かれているのがユニークです。

亀岡祭 鍬山

古い街並みが残る亀岡の城下町の風情の中に山鉾の駒形提灯が灯る様子はたいへん美しいものがあり、京都の祇園祭とは一味違った魅力にあふれています。懸想品も朝鮮毛綴など舶来品の立派なものが数多くありますが、一見舶来品のようでも実は日本製というものもあり、西陣織の綴織りも目を引きます。

亀岡祭 八幡山の見送り(円山応挙の下絵)

また、八幡山では令和元(2019)年に、亀岡出身の円山応挙の「群仙図」(応挙が小僧時代に入り応挙寺と呼ばれる金剛寺の所蔵)より選ばれた図柄で、美しい綴織が見送り幕として新調されたり、高砂山では川島織物が所有する16世紀ベルギー産の西洋のトロイア戦争物語を題材とした「トロイ王プリアモスと将軍たち」の複製品が同じく2019年に見送り幕として新調されるなど、新たな懸装品も登場しています。

高砂山 見送り「トロイ王プリアモスと将軍たち」(2022年撮影)

地元の方のおもてなしも温かく、何度でも訪れたくなるお祭りです。お囃子は基本的にはテンポがゆっくりで、24日の宵山は秋の夜にふさわしいしっとりとした風情を感じられます。今年から宵山(宵宮)が縮小され、2000年から行われてきた23日の「宵々山」が廃止され、11基の山鉾がそろう宵山は24日のみとなりました。25日午前からお昼頃には巡行も行われます。機会がありましたら、足を延ばしてみてください。

亀岡祭 鍬山

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に7年連続の最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。

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