落柿舎で感じる秋

先日、嵯峨野の落柿舎(らくししゃ)を訪れました。秋の花が様々に咲いていました。

落柿舎

嵯峨野に建つ落柿舎(らくししゃ)は、江戸時代の俳人・(むか)(い)(きょ)(らい)が1600年代末に営んだ庵で、当初は現在地ではなく、桂川の近くで北側に庵が向いていたと見られます。当時の庵には柿の木約40本があり、都から来た商人が訪ねてきて柿を売る約束をし代金を置いて帰ったところ、その夜に嵐が来て一夜にして柿が全て落ちてしまったことから「(らく)(し)(しゃ)」と称するようになったとか(去来は代金を返したそう)。

落柿舎

去来の師の(まつ)(お)(ば)(しょう)は三度もこの庵を訪れ、特に(げん)(ろく)4(1691)年に18日間訪れた記録が(ば)(しょう)唯一の日記「嵯峨日記」として伝わります。現在地には(めい)(わ)7(1770)年に再興され、その後紆余曲折を経て、明治期に再度現在地に改めて再建されました。建物は南向きで、嵐山を望む(かや)(ぶき)屋根に趣があり、柿の木も植えられています。

落柿舎

また、落柿舎の北西にある小倉山墓地には(むか)(い)(きょ)(らい)の遺髪を埋めたという墓があり、(ぎ)(ちゅう)(じ)にある(ば)(しょう)の墓とよく似た墓が残されています。なお、去来の墓は向井家の菩提寺である真如堂にあるとのこと。

落柿舎

先日訪れると、秋明菊や紫苑など秋の花々が咲いて、季節の進みを感じました。穏やかな空気が漂う庵に座り、柿をついばみに来る鳥のさえずりを聞きながら、静かな時間を過ごすことができました。観光客が多い中でも落ち着ける場所だと思います。

落柿舎

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に7年連続の最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。

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