鞍馬の火祭 2024年 山門下石段での松明とチョッペンの儀

10月22日に行われた鞍馬の火祭。今年は雍州路さんで、目の前で大変勇壮な松明を見ることができました。

鞍馬の火祭 雍州路より

鞍馬の火祭は観覧が難しいお祭りですが、今年は縁があり、鞍馬寺の山門下にある「雍州路」さんで火祭を見ることができました(有料)。ちょうど安置されている神輿が目の前で、貴重な神事の場面や、山門下の階段にせり出した仮設の足場も設けられ、勇壮な松明の様子、階段で神輿を担ぐ際に行われるチョッペンの儀も目にすることができました。

鞍馬の火祭 雍州路より

山門下は松明が集まるハイライトですが、駅周辺は警官も多く、人々の誘導も厳重です。山門下に松明が集まる場面や、その後に神輿が下りてくる場面などでは、観光客はその場から移動することができなくなります。つまり山門下をよい位置で見られるかは、例年であればかなりの運が必要となります。

鞍馬の火祭 雍州路より

街道の下手や上手から鞍馬寺の石段に集結した大松明。その場面は御旅所以上に勇壮です。燃え上がる松明と、ものすごい熱気。その奥で揺らめく鞍馬の男たち・・・。目の前にある光景がとても現実とは思えないような、凄まじい眺めです。ここまでで役目を終えた大松明は順次石段下で燃やされていきます。火床の中に大松明が投げ入れられると、大きく火の粉が上がり、炎の勢いのすさまじさを感じられます。

鞍馬の火祭 雍州路より

今回眺めた「雍州路」さんはまさに特等席で、順次交代しながら石段に立てられる松明の大迫力や、火の粉を浴びながら持ち上げる男たちの鬼気迫る姿を間近で眺めることができました。見ている方もかなりの暑さを感じます。

鞍馬の火祭 雍州路より

石段に立てられた松明は、掛け声とともに順次石段下で燃やされていき、大松明がすべて燃やされると、石段では松明を担いでいた男たちが落ちた火の粉を取り払い、準備が整うとしめ縄切りが行われ、さらに神輿の前で神事を行います。神事の場面は一般の方からはほぼ見えない位置になります。

鞍馬の火祭 雍州路より

神事が終わるといよいよ神輿が下りて来ます。神輿が階段を降りる際に行われるのが「チョッペンの儀」。若者が長柄の先端に逆さ大の字にぶら下がり、下から支えられながら階段を下りてきます。このチョッペンを見るのは例年難しいのですが、雍州路さんは階段のところに仮設の足場を設けており、もちろん他のお客様との兼ね合いもありますが、今回は何とか目にすることができました。チョッペンはかつての鞍馬の成人儀礼の名残ともいわれますが、とある文献で読んだ、階段を下す際に神輿をできるだけ水平に近づけるために人の体を挟んで持ち上げるのだという理由は納得感があります(真偽のほどは不明)。神輿の後ろでは女性陣が綱を握っているのも印象的です。

鞍馬の火祭 チョッペンの儀 雍州路より

石段での「チョッペンの儀」を経て神輿が下りたあと、神輿は鞍馬の上(かみ)の方へと巡行し、やがて戻ってくると神楽松明を引き連れて御旅所方面へと向かいます。神輿は御旅所を通り過ぎて下(しも)のエリアを巡行し、やがて御旅所へ戻ってきます。

鞍馬の火祭 神輿巡行

今回は御旅所までは見ずに鞍馬を後にしました。今年は雨の予想もあってか比較的空いていたと思いますが、やはり歩きながら見るというのは相応にしんどいため、覚悟は必要です。帰りは神輿が石段下を降りる22時過ぎまで鞍馬にいる心づもりですと徐々に電車も空いてきます。

鞍馬の火祭 神楽松明

今回私が雍州路さんで見たように、有料ではあっても拠点を確保してみることができる場所は貴重かと思います。雍州路さんからの様子は動画でもご覧ください。初めは祭りの段取りをよくわかっている方と一緒に訪れて頂くとよいでしょう。機会がありましたら、鞍馬の火祭の勇壮な炎をご覧になってみてください。

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に7年連続の最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。

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