八坂神社 舞楽奉納 2024年

11月3日に、八坂神社舞楽の奉納が行われました。京都全体で見ても、本格的な舞楽の奉納です。

八坂神社 舞楽奉納

八坂神社の舞楽奉納では、境内の舞殿前に3mは優に超える大太鼓(だたいこ)を組む本格的なもので、弥栄雅楽会によって奉納されます。その時間はおよそ3時間にわたり、まさに王朝文化の再現といったイメージで、ゆったりとした時間軸の中で進められていきます、途中に休憩も挟まれます。演目は定番もあれば、毎年少しづつ変わるものもあります。

八坂神社 舞楽奉納

八坂神社での舞楽奉納は平安時代の中ごろ、円融天皇の病気平癒のために奉納されたことに始まります。その後、崇徳天皇の頃からは毎年奉納されるようになりました。中世には応仁の乱などによって中断しますが、幕末の孝明天皇の折に復興し、現在は弥栄雅楽会に引き継がれています。

八坂神社 舞楽奉納 振鉾

今回の演目は、清めの意味で奉納される「振鉾(えんぶ)」、幼女が舞う「迦陵頻(かりょうびん)」、少女が舞う「胡蝶(こちょう)」、4名が舞う「春庭花(しゅんでいか)」、各地でよく奉納される「蘭陵王(らんりょうおう)」、「納曾利(なそり)」、演奏のみの「長慶子(ちょうけいし)」と続いて行きました。

八坂神社 舞楽奉納 迦陵頻

舞には、左舞(さまい、左方舞とも)、右舞(うまい、右方舞とも)がありますが、左舞は大陸から伝わってきた中国・インドを発祥とする舞、右舞は朝鮮半島から伝わってきた舞になります。それぞれ楽器の構成などいろいろ違いはありますが、最もわかりやすいのはその装束の色の違いです。今回の演目では、胡蝶・納曾利が「右舞」でそれ以外は「左舞」。左舞では原則として赤色系統の装束を用い、右舞では緑色系統の装束を用います。

八坂神社 舞楽奉納 胡蝶

さて、どの舞も優雅で、笙(しょう)や篳篥(ひちりき)などの音が時代を超えて独特な空間を作りだして行きます。人数も多く、生演奏の迫力を感じられます。京都では様々な神事でも基本的には雅楽の生演奏が多く、耳を楽しませてくれます。

八坂神社 舞楽奉納 春庭花

それにしても、舞は時間の流れがゆったりとしています(この日は12時開始の予定が20分ほど遅れ、せっかちな現代人にはとても緩やかな進行に感じたかもしれません)。こちらも時間的な余裕を持って、じっくりと眺められるとよいでしょうか。以下、動画もありますので、しばし御観覧ください。今回は蘭陵王までを見て、八坂神社を後にしました。

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に7年連続の最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。

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11月26日(火)午後 → 行先き未定(紅葉)
12月10日(火)午後 → 行先き未定
12月14日(土)午後 → 山科義士まつり
12月31日(火)時間未定 → 大晦日散策やります

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