圓光寺の美しいお庭を訪れました。

圓光寺は私が個人的に好きなお寺で、もう20年以上前の学生時代から訪れています。寺の創建は徳川家康によります。元は伏見に開かれた学校で、後に寺に改められました。その後、相国寺境内を経て現在地に移り、今に至っています。このような由緒から、境内には家康の墓もあり、学校として多くの書籍を印刷・発行したところから、当時使われた木活字5万個が伝わっています。本尊の千手観音像は運慶の作と伝わり、渡辺始興の寿老人図や円山応挙の屏風も所蔵しておられます。

近年は紅葉の綺麗なお寺として知名度が増し、紅葉シーズンに静かにお庭を眺めることは難しくなりましたが、それ以外の時期ならばゆっくりと座って楽しむことができます。お庭は「十牛の庭(じゅうぎゅうのにわ)」と呼ばれ、禅の悟りにいたる道筋を牛を主題として表した十枚の絵・十牛図にちなんでいます。牛は誰しもが持っている仏心をあらわすのだそう。庭の中心にはその牛に見たてた石が据えられ、庭を引きしめています。

圓光寺の魅力は、この額縁状にお庭を楽しめる風景に加え、そのお庭を散策できることにもあります。座って眺めていたのとは全く異なった印象でお庭を楽しめ、こういった場所は京都でも多くはありません。

庭には栖龍池と呼ばれる池もあり、洛北で最も古い池といわれています。その先の竹林の道も美しく、自分の感性にあった場所を探し、風景をカメラに収めてみるのも楽しいでしょう。

様々な魅力がある圓光寺ですが、高台からの眺めもその一つ。洛北が一望できます。この高台には圓光寺の創建に関わる家康の歯を納めた墓があり、歴史好きの方にも興味深いでしょう。これから春になると桜も咲き、新緑も素晴らしい場所です。機会がありましたら、足を延ばしてみてください。

京都旅屋の2月26日の講座は「詩仙堂・圓光寺・狸谷山不動院」です。それぞれの見どころや知られざる場所もご紹介します。見逃し配信もありますので、ご参加お待ちしております。

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に8年連続の最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。
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