3月9日に、京都の南の城陽市にある青谷梅林へと訪れる散策を「まいまい京都」さんで開催させていただきました。ご参加ありがとうございました。

青谷梅林(あおだにばいりん)は、梅の数が約一万本と言われる京都府最大の梅林です。そのほとんどは白梅で、この梅は栽培用に育てられているものです。そのため、梅は背が低くなるように剪定をされ、規則正しく並んでいるという特徴があります。梅の密度もそれほど高くはありませんが、とにかく植わっている範囲が広いです。現在は約20ヘクタールの面積に梅が植わります。城陽市全体では梅の収穫量は約90トンに上りますが、北野天満宮の梅の収穫量が約2.5トン~3トンですので、いかに多いかがわかりますね。その収穫量の約半分が「城州白(じょうしゅうはく)」という品種で、数ある品種の中でも最大級の果実の大きさを誇り、モモの香りの成分が強く、クエン酸を多く含んでいるなど、高品質の梅だそう。

辺りは古くから梅の名所として知られ、鎌倉時代の末期には後醍醐天皇の皇子・宗良親王が「風かよう 綴喜(つづき)の里の梅が香を 空にへだつる 中垣ぞなき」と和歌を詠み、当時から梅林があったことがわかります。江戸時代に栽培用に梅が数多く植えられるようになり、明治以降に花見客も増えて名勝地となっていったそうです。

毎年2月から3月にかけては「梅まつり」が行われ、梅林にある会場では売店や臨時のお店が出店しています。梅は年によって花期が変わりますので、見頃の時期をよく確認しながら訪れるようにして下さい。今年は梅の開花が遅く「梅まつり」の最終日でも咲き始めという状況でしたが、早咲きの観賞品種がところどころで見られました。

会場へのアクセスは、JRの山城青谷駅から徒歩で約20分ほど、道は案内板が出ているため迷うことはないでしょう。近年の会場は中天満神社の北側で、以前よりアクセスしやすくなりました。会場や中天満神社では15時まで売店が出ており、梅の様々な商品を買うことができ、梅づくしの中で設置されている席に座って梅見をすることができます。

また、駐車場は「青谷梅工房」さんに有料で駐めることができるほか、思いやり駐車場(数台、有料)が会場付近にあります。週末は人通りが多く細い道がいため、運転には十分にご注意ください。

会場では、地元のバンドによる歌が披露されて、のどかな雰囲気があります。美しく咲きつつ香る梅を眺め、曲を聞きながらのんびりと過ごす時間はよいものです。ただ、雨の日用のテントがないため、雨が降るとなかなか大変かもしれません。今年の梅まつりは終了しましたが、来年以降に機会がありましたら、足を延ばしてみて下さい。
ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に8年連続の最高得点で合格(通算10回合格。第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。
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