先日、久しぶりに醍醐寺の上醍醐まで登って来ました。

京都近郊では屈指の訪問難度の高さといえる上醍醐。2月に訪れてきました。下醍醐からの険しさもさることながら、ようやく上醍醐に着いても、諸堂間のアップダウンはきつく、上醍醐エリアでも体力を使います。

醍醐寺や上醍醐の諸堂については12年前の古い記事で長文ですが、よくまとまっていますのでリンクを貼っておきます。思い返せば当時は仕事が無い中でもできることを頑張っていました。「聖宝と醍醐寺発祥の上醍醐」、「醍醐水と上醍醐」。2013年当時と2025年現在とでは、上醍醐参拝の注意事項も異なっているため注意が必要です。

まず、2024年11月より上醍醐への入山料が廃止となっています。醍醐寺のホームページによると、『醍醐寺開創1150年を記念して、醍醐寺開創の地である上醍醐へより多くの方に登って欲しいという願いから、11月14日より上醍醐の入山料を廃止いたします。』とのことです。女人堂上醍醐登山口に設置されている「上醍醐入山名簿」に必要事項をご記入のうえ登山を行ってください。

醍醐水は2013年にはあったコップは無くなっていましたが、水は出すことができ、まさに醍醐味の水を口にすることはできました。その上の准胝堂跡は再建予定とは書かれています。2008年に落雷で焼失して以来、下醍醐の観音堂に札所の准胝観音が祀られており、再建はなっておりませんが、2024年の醍醐寺の記者会見では再建、上醍醐の復興への動きはあるようです。

上醍醐の薬師堂で祀られていた薬師如来像は下醍醐の霊宝館に安置されています。さらに上の五大堂にお祀りされていた五大明王像は、2014年の「醍醐寺のすべて」展が奈良国立博物館で行われて以降は同じく下醍醐の霊宝館に移されています。

元々、上醍醐の五大堂で行われていた2月の「五大力さん」の法要も、現在は下醍醐の金堂で行われており、信仰の地としてと上醍醐の存在感も薄れているように感じます。もちろん、下醍醐で参拝できるようになったのはありがたいことではありますが。

しかし、やはり上醍醐こそが醍醐寺発祥の地であり、上醍醐復興に向けたお話が出ているのもありがたいことです。険しい山中に残る諸堂へ訪れるのは大変ですが、達成感は間違いなく感じられる場所ですので、十分な装備と余裕の時間を持ったうえで、機会がありましたら足を延ばしてみてください。

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に8年連続の最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。
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