やすらい祭 雨の今宮神社での奉納

4月13日に「やすらい祭」の踊りの奉納が今宮神社で行われました。

今宮神社 やすらい祭

大徳寺の北にあるのが今宮神社。平安初期に人々が疫病を祓うために疫神が祀られたことに由来し、長保3(1001)年に疫病が流行った際には新たに社殿を設けて今宮神社と称されました。疫病退散の神として信仰が篤く、春の「やすらい祭」は厄除けの行事として知られます。

今宮神社 やすらい祭

やすらい祭は、例年4月第2日曜日に洛北一帯で行われ、花と共に飛び散る疫神(えきじん)を鎮めるため、氏子たちが花傘を中心に、赤と黒の大鬼、囃子方等に扮して、鉦や太鼓を打ち鳴らしながら跳びはねるように踊ります。別名は「花鎮めの祭り」です。

今宮神社 やすらい祭

花傘の下に入ると厄除けになるとされ、皆が競うように入っていくのが例年の光景。京都三大奇祭のひとつで、今宮神社の「今宮やすらい花(上野やすらい花)」が特に有名ですが、他にも玄武神社、川上大神宮の氏子も同じ日に練り歩くほか、5月15日には上賀茂やすらい祭もあります。

今宮神社 やすらい祭

なお、この日が好天に恵まれるとその年の京の祭はすべて晴れるとも言われています。しかし2025年は残念ながら雨となり、各社とも氏子地域の巡行は中止となってしまいました。今宮やすらい花は、14時からの今宮神社での神事の中で、屋根のある拝殿にて踊りの奉納を行ってくれました。

今宮神社 やすらい祭

鉦や太鼓、笛のリズムは独特で、耳に残る音曲です。この音色で疫神を楽しませて鎮め、本来は氏子地域を巡行することで依代となる花笠に疫神を集めて、最後は今宮神社に封じ込めるという意味があるとされます。やすらいの音色は春の京都の風物詩といえるでしょう。

今宮神社 やすらい祭

拝殿では、小鬼とも呼ばれる鞨鼓(かっこ、かんこ)を下げた少年が鞨鼓を打つ所作をしたり、鬼と呼ばれる赤い毛の赤熊(しゃぐま)姿の青年らが、太鼓や鉦を打ち鳴らして踊りました。

今宮神社 やすらい祭

雨もしっかりと降り、見ている方々も大変だったと思いますが、拝殿をぐるりと囲んで見守っておられました。今年は巡行が無いのは残念ではありましたが、疫病鎮めを願うやすらいの踊りと音色を聞くことができたことに感謝いたします。来年こそは晴天に恵まれ、例年通りのやすらい祭であることを願っております。

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に8年連続の最高得点で合格(通算10回合格。第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。

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