緑に包まれた宝厳院の境内

6月30日まで公開されている天龍寺の宝厳院(ほうごんいん)。この時期は緑に包まれています。

宝厳院

このブログではよくご紹介をしている宝厳院。天龍寺の南にあって行きやすく、春秋に特別公開をされて、いずれも大変美しい光景に出会えるお寺です。寺は室町時代に創建され、現在地には2002年に移ってきましたが、庭園は室町時代の作庭で、仏が説法する様子を意味する「獅子吼(ししく)の庭」と呼ばれています。庭園内を散策し、目から入る風景のみならず、耳から入る鳥の声や風の音を聴いて、人生の心理を肌で感じることを意図した庭園とされます。

宝厳院

宝厳院の公開は春と秋の期間限定で、例年6月30日までは、青葉の庭が公開されています。ちなみに非公開の期間は時代劇の撮影にも使われているそう。境内は苔も見事でよく手入れされていて、この時期はとても気持ちのよい緑の空間が広がっています。宝厳院のお庭の特徴は、大きな巨岩があしらわれていること。その存在感は庭園でも際立っています。江戸時代の、都林泉名勝図絵には、現在地にもともと存在していた妙智院の庭園の絵図があり、現在も宝厳院の庭園にある「獅子岩」が描かれています。

宝厳院

天龍寺は大いに賑わっていますが、この時期の宝厳院は拝観者も少なめで、素晴らしいお庭を静かに散策をできるのが魅力です。さらにおすすめなのは、お抹茶を頂くこと(+500円)。茶席は茅葺の建物に上って時を過ごすことができ、奥に座せば額縁状の素晴らしい眺めを堪能できます。これぞ多くの方が求める京都らしい空間ではないでしょうか。もちろん縁側に座ることもできます。鳥の鳴き声に耳を澄まし、しばし非日常の時を過ごしてみてください。

宝厳院

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に8年連続の最高得点で合格(通算10回合格。第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。

散策・講座のお知らせ

【散策を受付中!】
6月10日(火)13時~15時30分頃
伏見稲荷大社の田植祭と狛龍が建つ伏見神宝神社、千本鳥居まで

【配信講座を受付中!】
奥深い京都へのいざない!マニアック京都講座
見逃し配信→水上の城下町「淀」の歴史と河川の付け替え
5月28日→千本釈迦堂と西陣の社寺、6月25日→城南宮と深草・藤森

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【丹後七姫講座】丹後の歴史を彩る女性たちの物語

【まいまい京都さんで散策受付中!】
5月24日(土)9時30分~12時頃
【山科本願寺】巨大土塁にびっくり仰天!“城”と呼ばれた巨大寺院跡をめぐる
5月25日(日)9時~12時頃
【天授庵】京都中の社寺を巡った吉村の“推し寺”へ!青もみじ輝く初夏の名刹めぐり
5月31日(土)9時~12時頃
【曼殊院】桂離宮の美学が息づく名刹、宮廷の風雅を詰め込んだ庭園と建築美
6月1日(日)9時15分~12時頃
【鷹ヶ峯】本阿弥光悦が築いた芸術の拠点、洛北に花開いた光悦村へ
6月7日(土)14時~17時頃
【小野】貴族たちの恋の里、小町伝説の随心院から花菖蒲咲く勧修寺まで
6月8日(日)14時~16時30分頃
【三室戸寺】2万株が咲く幻想の“あじさい寺”へ、紫絵巻の大庭園と日本最古の国宝本殿
6月29日(日)9時30分~12時頃
【大原三千院】苔に覆われた“東洋の宝石箱”、金色に輝く国宝三尊を拝観
6月29日(日)13時30分~16時頃
【大原寂光院】平家物語・最後の舞台、大原の奥にたたずむ隠れ里をいく

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「まいまい京都」さんで『【オンラインサロン】吉村晋弥のマニアック京都サロン』を募集中。毎月第2水曜日20:00~21:30頃の配信と吉村のコースの抽選が当たりやすくなります。詳細はリンク先をご覧下さいませ。

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