山科の南、小野の隨心院を訪れました。苔が美しく、室内からの眺めは雨の日にもおすすめです。

隨心院のある「小野」の地は、小野氏ゆかりの土地で、平安時代には小野小町が住んでいたとも伝わります。隨心院には、小町がもらった恋文を埋めたという文塚や、文を張り付けたという文張地蔵があり、化粧井戸や、老年の小町の像(卒塔婆小町坐像)までもが存在しています。3月の最終日曜日に行われる「はねず踊り」は大勢の人で賑わいます。

隨心院は基本的に建物内からお庭を眺めるお寺のため、雨の日にも足元が濡れにくいのがおすすめポイント。苔の艶めきは雨の日にこそ素晴らしいものがあります。能の間の奥に座してお庭を見ると、まるで額縁に入った絵画のように風景を楽しむこともできます。ぜひ、自分好みの額縁構図が見られる位置を探してみてください。

随心院は都の南西、辰巳(巽)の方角にあることから「洛巽(らくそん)の苔寺」とも呼ばれるほど、境内の苔は美しいです。この時期の境内は人が少なく、静かに仏様に手を合わせられたり、ゆったりとお庭を眺めながら時を過ごすことができます。だるま商店さんの極彩色梅匂(うめいろ)小町絵図も華やかな色彩で人気があります。

本堂にはご本尊の如意輪観音像(秘仏)など諸仏が祀られています。快慶作の金剛薩埵像をはじめ、仏様が並ぶ姿を目にすることができます。一方で、奥書院は5月から修復に入り、約2年間は見学ができない予定とのこと。拝観経路は能の間、本堂までで折り返しとなりますので、ご注意ください。

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に8年連続の最高得点で合格(通算10回合格。第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。
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